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一家の昼食を受け取るお母さん。炊きたてごはんとスープは大歓迎された |
津波に襲われた宮城県石巻市の避難所に指定されている門脇中学校(同市泉町)に避難している700人の被災者に在日韓国民団が7日昼、コムタンスープとごはんの炊き出しを行った。
「コムタンスープ、キムチ、おいしかったよ」、「炊いたごはんがおいしかった。スープにキムチを入れて最高でした」
大地震と津波から3週間余り。炊いたごはんにあたたかいスープは、まだおにぎりの配給が多い被災者にとってうれしい食事だった。民団は宮城県本部の李根出団長を総責任者に山形県本部、中央本部、東京本部と韓食ネット協議会など約30人で炊き出しに当たった。
門脇中には津波と火災で家屋が流失したり、焼失したりした南浜町や門脇町をはじめ大街道東、大街道南などからの被災者が避難している。震災直後は約2000人が身を寄せていた。住民は班長を選んで自治組織を整えている。7日も班長らが率先して配膳作業に当たった。石巻湾沿いで在日同胞も被災し、死者も出ている。炊き出しには同胞被災者も訪れた。
炊き出しに対し同校の赤間彰校長が避難者を代表して感謝の言葉を述べた。
だが、避難所には熱・咳・下痢などの症状を抱える被災者が多い。また、行き場のない人がほとんどで、今後どうするのか悩んでいる。市内に借家もない状況で「とにかく住む所を探してほしい」と一日も早い仮設住宅の供給を訴えていた。