この時期、教科書の領土主張は・・・=編集余話 瞻星台

日付: 2011年04月06日 00時00分

 未曾有の東日本大震災に加え、福島原発の恐怖におののく日々が続いている。支援も広がっている。が、韓民族にとっては憂鬱な日々でもある。独島(日本名竹島)を「日本の領土」と記述する中学校教科書が2012年春から大幅に増えたようだ
▼金星煥外交通商部長官は武藤正敏駐韓大使を呼び、「いまだに誤った歴史観を合理化し、美化する内容を含んでいる」として抗議した。日本政府は、大災害での韓国の支援には感謝を強調しつつも「教科書問題と支援は別」と、抗議をはねつけた
▼独島は鬱陵島に含まれ、現在は鬱陵郡に属している。512年新羅が于山国(鬱陵島)を支配下におき、930年住民が高麗に朝貢している。1379年倭寇が住民を追い出したが、1417年朝鮮が住民を島に帰還させた。そして1696年安竜福が2度渡日し、伯耆州(現在の島根県)太守と談判、鬱陵島が朝鮮領土であることを認定させた。1905年の「島根県編入」よりはるか以前から韓国の領土なのである
▼遡って韓日両国間ではさまざまな議論を行ってきた。65年の国交正常化交渉の過程でも数々の決裂と妥協の末、国交正常化の成果を勝ち取った。この時期にあえて日本の教科書に記述すべき日本の事情があるにせよ、適切かどうかは議論を呼ぶだろう
▼数千年にわたって両国には善隣友好の歴史の成果がはるかに大きく、21世紀も両国で取り組むべき課題が山積している。国交正常化して45年。2国の協力・交流がこれほど成功した事例は韓国はもちろん日本にもないはずだ。先人たちの経験を生かすべきだ。


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