「気力を失わず頑張ってください!」韓国から支援・エールの声届く

日付: 2011年03月16日 00時00分

12日の韓国日刊各紙の1面
 東日本大震災は韓国にも大きなショックを与えた。地震が発生した11日、各放送局は通常の放送を一時中断し、地震の被害状況を速報。12日付の韓国朝刊各紙は東日本巨大地震について、「日本沈没」(中央日報)「日本、最悪の日」(朝鮮日報)などの大見出しとともに1面トップで報じ、被害の状況などを詳しく伝えた。

 韓国政府は11日にまず、「地震と津波により貴重な人命被害や莫大な財産損失があったことについて、日本政府と国民に深い哀悼と慰労の意を表する」と、外交通商部の報道官名義で声明を発表。李明博大統領も同日、日本の菅直人首相に哀悼と慰労の意を表す書簡を送付した。その後青瓦台(大統領府)の危機管理センターで緊急対策会議を主宰し、隣国として最善を尽くして災害復旧や救助活動を支援するよう指示した。
 翌12日には初の外国救援となるレスキュー隊5人と救助犬2頭を、13日には約100人で構成された緊急救護隊が日本に派遣された。大韓赤十字社も日本に医療支援団と救護団を緊急派遣すると表明し、準備態勢に入った。また、救護活動に参加するボランティアを募集し、募金活動もスタートする。
 韓国のインターネット上では、日本を激励・慰労するメッセージが広がっている。簡易投稿サイト「ツイッター」のあるユーザーは、「日本にいる方々、在日同胞の方々、家族と連絡がつかない方々、気力を失わず頑張ってください!」とメッセージを書き込んだ。別のユーザーは、「日本語ができます。何かできることがありましたら声をおかけください」と、連絡先を掲載した。インターネットのポータルサイト「ダウム」には、「永遠の隣人、日本に友情を示そう」と、募金活動を提案する声が上がっている。民間企業では、アシアナ航空が機内毛布やカップ麺、飲料水などの支援を行っている。
 自治体レベルでの支援も進められている。ソウル市は救助隊員と医療・救護支援団をすぐに派遣できるよう待機させている。日本側との協議を経て、人員や現金の支援などを行う方針だ。呉世勲ソウル市長は石原慎太郎東京都知事に慰労の書簡を送り、日本国民への慰労の言葉を伝えた。京畿道も日本に消防本部所属の救助隊を派遣する方針を明らかにしている。
 米ロサンゼルスのリトル・トーキョーでは、現地在住の韓国人と日本人のコミュニティーが手を取り合い、復旧支援に向けた募金活動を進めている。日本の外務省によると、先週末現在で計50カ国・地域から支援の申し出があったという。


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