東日本大震災 被災同胞の確認急ぐ

各本部会館の倒壊なし 安否不明者多数 被害深刻か
日付: 2011年03月16日 00時00分

 11日午後2時46分、東北・三陸沖を震源とする日本国内観測史上最大のマグニチュード(M)9・0の巨大地震が起きた。地震直後に、民団中央本部は緊急対策会議を開き、「東日本大震災被災者支援対策本部」を設置。連絡が取りにくくなっている状況の中で、東北の各地方本部の被災状況や団員同胞の安否確認作業を急いでいる。

13日現在の各地の現況

震災直後の宮城本部事務局

◇宮城
 地震が発生した11日は本部会館で婦人会の講演会が行われていた。講演会終了間際に地震に襲われた。小さな揺れが徐々に大きくなり、「ゴー」という音と共に激震が走ったという。立っていられない程の揺れに、講演会参加者は机のしたにもぐり揺れが止まるのを待った。地震の最中に停電となり、会場では参加者の悲鳴が響き渡ったが、団長をはじめ、幹部、職員による迅速な誘導により6階の非常階段から外に無事到着。お年寄りが多数を占めていたが、幸い、けが人もなく全員無事に帰宅の途についた。
 韓国会館は、外壁の一部が剥がれ落ちるなどの被害。民団事務局は机上のパソコン、書類等が散乱。金庫や書類キャビネットが動くなどの被害もあった。 
 13日、事務局では電話で団員の安否の確認を行い、あすか信用組合仙台支店では炊き出しも行った。まだ連絡の取れない団員も多数おり、安否の確認作業を引き続き行っている。
 民団宮城事務局では「仙台市内の団員同胞は大丈夫だが、被災地域である気仙沼、名取、石巻、若林区には団員60世帯がいる。連絡が取れない状況が続いている」と話している。
 宮城本部には本国のプレスセンターが置かれる予定だ。
◇福島
 本部会館が少し傾いた。連絡を取りながら対応策を急いでいる。海岸地域の同胞が一部、郡山に来ている。また福島原発地域には焼き肉屋などを営業する同胞が多数住んでおり、確認作業を進めている。原発被害があるために、浜通り方面には行けない状況。
◇岩手
 本部会館には被害はないが、大船渡市、宮古市の20世帯の安否がわからない。また高齢者3世帯との連絡が取れておらず、対策を急いでいる。

震災直後の対応に追われる中央本部職員

◇秋田
 大きな被害はない。確認作業を続けている。
◇青森
 震度4で本部会館は大きく揺れたが、大きな被害は出ていない。同胞に被害はない模様。
◇北海道
 民団本部と支部には被害なし。連絡確認作業は急いでいる。函館支部ではやはり地震の影響で12日に予定されていたスピーチコンテスト大会が延期された。
◇新潟
 対策本部を設置。被害の多い、十日町を集中して調査を行っている。東北方面の支援隊の派遣を検討したが、余震の恐れや2次災害を恐れて派遣を見送った。新潟総領事館が、新潟空港から入る韓国からのレスキュー隊などの対応をしている。
◇長野
 団員の死亡やケガの情報は今のところなし。12日未明、同県栄村を震度6強の地震が襲ったが、同村に団員はいなかった。
◇茨城
 民団本部事務所はむちゃくちゃになったが、回復作業を進めている。地方委員会の開催も延ばしている。周辺のガソリンスタンドには車が並ぶ状況が続いている。


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