福島第1原発事故による放射能被害を恐れ、一時帰国しようとする在日外国人が、再入国許可を求め、品川区の東京入国管理局に殺到している。羽田空港と成田空港では母国に帰ろうとする在日外国人で長蛇の列ができている。(表斗鉉)
|
原発の放射能を避けようとする在日外国人と日本人が羽田空港に殺到 |
東京入国管理局によると、普段は100人程度が訪れる同局だが、14日の早朝から再入国許可を求め、長蛇の列ができるようになった。同局の受付締め切り時間は午後4時までだが、特別に午後4時までに並んだ人々には深夜までかかっても許可を出している。同局の関係者によると、14日は3500人、15日は5000人、16日は9000人、17日は1万人以上が同局を訪れたという。
列に並んでいた中国人の金明花さん(33)は「日本での暮らしが長いため、余震はあまり怖くないが、福島の第1原発事故が怖くて帰ることにした」と話した。金さんによると、中国政府は成田空港に自国民帰国のための特別専用機を送っているという。
韓国人の全恵善さん(48)は「地震と原発事故は怖いが、会社のこともあってしばらく状況をみてみようと思ったが、韓国で日本の大震災と原発事故が連日大きく報じられており、家族に促され、一時帰国することにした」と述べた。
大地震発生から1日後の12日、羽田国際空港と成田空港では、飛行機の運航が再開された。その後は余震と放射能被害を避けて脱出しようとする在日外国人で混雑する日々が続いている。
|
東京入国管理局にも長蛇の列 |
13日から16日までの羽田と成田空港には、韓国行きの航空券購入のため、前日夜から空港の出発ロビーで待つ在日韓国人でいっぱいになった。一日でも早く韓国に帰りたいという思いと、家にいるのが不安で一応空港に来たという在日韓国人が多かった。13日、羽田空港のあちらこちらでは、在日外国人約200人が空港支給の毛布を敷いて帰国便を待っていた。
日本語の勉強のため、昨年12月に短期ビザで来日した韓国人のイ・ヒャンアさん(27)は「不幸中の幸いで予約しておいた航空券を持っており、簡単に帰国することができる」と話し、安堵の息をついた。
羽田空港の案内係は「便が少ない早朝の時間なのに、東京を離れようとする在日外国人で混雑した。13日から16日間には3階の出国ロビーで空いた椅子を見つけることができないほどだった」と述べた。