あまりにも易しい原爆製造法

「1年に10㎏のプルトニウム(20kt級原爆一個が作れる量)を生産できる原子炉は1300万~2600万ドルあれば作れる」
日付: 2011年03月27日 06時06分

趙甲済
1974年、インドの核実験後、開発途上国による核開発が国際問題になった時、米国議会資料室(Congressional Research Service)はニューヨークのポーリテクニック研究所の原子力工学部長のジョン・R・ラマーシュ(John R. Lamarsh)博士に、開発途上国および小国の秘密核爆弾開発の可能性に対して調査報告するよう依頼した。ラマーシュ博士は、小国がプルトニウム生産用原子炉を核先進国の支援なしで作れるかに対して「難しくない」という結論を下した。彼は、「小国および開発途上国によるプルトニウム生産用原子炉の建設に関して」という対議会用報告書で、「1年に10㎏のプルトニウム(20kt級原爆一個が作れる量)を生産できる原子炉は1300万~2600万ドルあれば作れる」と主張した。
ラマーシュ博士は、また「設計に必要な情報はすでに公開された文献に全部あり、建設に必要な部品と資材は公開された市場で入手できる。ウラニウムは世界の随所に賦存するので大きな負担なしで入手できる」と指摘した。彼は、結論的に「核拡散禁止のための国際的規制にもかかわらず、これらの国々が核爆弾開発を推進することを防げなはずだから、かえって核開発をする必要がないということを論理的に説得することが望ましい」と言った。ラマーシュ博士によれば核爆弾一つを作るための最小量のプルラトニュムは4㎏だ。濃縮ウラニウム核爆弾の最小量はウラニウム11㎏だという。(*右写真はラマーシュ博士の著書)
ラマーシュ博士は(北韓のように)原子力発電所のない国の立場で選択できる最も適合した研究炉は、天然ウラニウムをそのまま燃料として使え、黒鉛を減速材として、ガスを冷却材として使える原子炉だと分析した。こういう原始的な原子炉は1942年に原爆製造の先駆者のフェルミが米シカゴ大学で作った世界最初の原子炉と同じ型だ。
こういう初期形式の原子炉はその詳細な設計図がすでに公開されておいこれを模倣して作るのは簡単なことだ。ラマーシュ博士は、建設技術者1人、電気技術者1人、機械技術者2人、金属技術者1人、核工学者3人さえいればその設計と建設を指揮・監督できると計算した。建設開始4年後には原子炉が稼動するはずで、1年後はその核燃料から小さい核爆弾一つを作るのに充分なほどのプルトニウムが生成されると主張した。
北韓はラマーシュ博士のこの報告書をコピーしたのではないかと思われるほど似た研究炉を作ったのだ。韓国原子力研究所が自らの技術で完成した多目的研究炉(K-MRR‥Korea Multi-Purpose Research Reactor)の事業団長である金東勳博士は、「北韓の研究炉はすごく簡単だ。そんなものを作りたかったら相当前に作ったはずだ。特にわれわれのK-MRRに比較すると工学的に非常に低レベルだ。だが、問題は私たちの研究炉が高度な技術で作ったが平和的利用を目的としているのに対し、粗悪この上ない北韓のものはプルトニウム生産には適合するという事実だ」と話した。(*左写真は北韓の原子炉)
ラマーシュ博士は、開発途上国の再処理能力に対しても検討報告書を提出した。その結論もプルトニウム生産用原子炉の場合と同じだった。開発途上国らがすでに公開された文献と公開市場で手に入れられる部品で、困難なく再処理工場を作って運営できるということだった。原爆用プルトニウムを再処理方法で得るためには研究用原子炉で1年ほど燃やした燃料を取り出して再処理工場で処理せねばならない。
2万5000Kwの研究炉の天然ウラニウム燃料は約60tで、ここから生成されるプルトニウムは9㎏だ。原子炉から取り出した使用済核燃料は水の中で129日間貯蔵して放射能を減少させる。プルトニウム生産用研究炉から出た使用済核燃料の場合、120日経てば放射能はt当たり5万5000キューリ程度だ。これは商業用原子力発電所から出た使用済核燃料の放射能1t当たり200万~300万キューリの50分の1ぐらいだ。
再処理の最大の技術的問題は、放射能の強い使用済核燃料を遮蔽施設の中に入れて遠隔操縦で運搬、解体、切断、分析、溶解、分離することだ。ここに必要な放射能遮蔽施設と遠隔操縦装置の製作および設置と運営が再処理過程の核心的事項だ。商業用原電再処理施設よりはるかに弱い放射能を取り扱う核兵器用プルトニウム抽出のための再処理試験施設が、製作や運転面ではるかに容易だという話だ。
プルトニウム再処理工場の設計図も公開されたものが多い。ラマーシュ博士によれば、米国、サウスカロライナのパヌェル再処理工場の設計図は図書館で入手もでき、買うこともできるという。ラマーシュ博士は、再処理施設を設計、建設、監理するには高級人材も必要なく次のような7人のエンジニアだけで出来ると主張した。化工技術者2人と建築技術者、電気技術者、機械技術者、金属技術者、核工学技術者1人ずつだ。彼は小さなプルトニウム抽出用再処理施設を米国で作るなら2500万ドルぐらいかかると計算した。
www.chogabje.com  2011-03-25 15:43

閉じる