韓流が進化=編集余話 瞻星台

日付: 2011年02月23日 00時00分

 韓流が深化している。ドラマやポップス界のみならず、経済界でも日本再生のためには韓国に学ぶべきといい、大阪府知事が韓国の教育に感じ入り、アメリカも韓国に学べと言いだした。「韓国の家庭はわれわれよりもインターネットにつながっている」「教員を国家の建設者と位置付けている。米国も、同じくらい教育者に敬意を払う時だ」。オバマ大統領の言葉を日本経済新聞が伝えた
▼初めて「韓流」の言葉を耳にしたのは5、6年前の韓国観光説明会でだった。「中国で韓流ブーム」というのである。その韓流は一過性のもので、長きにわたって日本で受け入れられるとはその時、誰も思わなかったはずだ。すべての面で日本が進んでいると認識されていたからだ。ところが、歴史を知れば、日本の進化も一過性であることを知る。進化というより異質なもの、つまり西洋文化を先駆けて受け入れ、それを進化と教え込まれたのかもしれない
▼応神朝に文字や機織、鉄の文化が入り、その時代を第一の韓流とすれば、豊臣秀吉の朝鮮出兵によって略奪された陶磁器や金属活字の文化は第二の韓流といえよう。その後の朝鮮通信使がいろいろな文化を紹介し、韓流を拡大した。徳川家康は、儒学を統治理念に据えたが、その起原は姜沆(カンハン)と藤原惺窩の交流である。その儒学を確固たるものにしたのは鴻儒李退渓(こうじゅイテゲ)の学説であった
▼そして今、第三の韓流といえよう。その韓流は全世界に拡散される勢いである。それが一過性でないことは、文化の蓄積がどの国よりも深いことを、韓民族五千年の歴史が教えている。


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