金成昱
李明博政権発足から3年、国民行動本部の徐貞甲本部長の試練は続く。徐本部長は2月16日、ソウル地方裁判所から罰金500万ウォンの略式命令謄本が届いた。これは2009年6月24日徐本部長と保守団体の会員たちがソウル中心部の大漢門の前に設置されたいわゆる「市民焼香所」を撤去したことへの処罰だ。だが、保守団体の関係者たちや市民の反応は到底納得できないという雰囲気だ。
実際2009年5月23日盧前大統領の自殺直後に設置された「市民焼香所」(*右写真)は不法施設だった。警察は不法施設であることを認知しながらも放置し、結局、国民行動本部が焼香所を撤去した。
当時、「市民焼香所」の周辺は反政府扇動を超えて一種の体制転覆扇動場だった。「第2の民衆抗争で殺人魔の李明博を追出そう」という姜希南牧師(6月6日自殺)の遺書内容が書かれた大型プラカードが掛かり、「焼香所」周辺は政権打倒を主張するあらゆる宣伝チラシ、ビラ、落書きなどが並んでいた。
警察は、現職大統領に対する悪口と誹謗はもちろん、大韓民国体制転覆を唆す扇動が乱舞した不法施設を放置し、市民は極度の不便と不快感を強いられた。「市民焼香所」の周辺の映像と写真はTVや新聞など各種メディアを通じて全国に報道され全国民に安保不安感を与えた。
刑法第122条(職務遺棄)は、「公務員が正当な理由なしでその職務遂行を拒否するかその職務を遺棄した場合は1年以下の懲役や禁錮、あるいは、3年以下の資格停止に処する」と規定する。2009年5月23日から6月24日まで続いた警察の姿勢は、正当な理由なしに民選大統領の打倒と体制転覆を扇動する不法施設を放置することで刑法上の職務遺棄罪を犯したと見ることができる。
だが、警察は自らの職務遺棄に対して反省せず「市民焼香所」の喪主を自任した勢力の告訴告発を理由に不法施設を撤去した徐本部長を立件し、検察は彼を500万ウォンの略式起訴に処した。
徐本部長は、「政権打倒はもちろん、国家体制転覆を扇動する不法施設を政府が率先して撤去するどころか、これの代わりを撤去した私のような人を処罰するのが今の現実」と言い、「李明博政府は、国家理念の守護まで放棄するつもりなのか問わざるを得ない」と慨嘆した。
正式裁判の請求は命令謄本が送達されてから7日以内で可能だ。