問われる「実用主義」の有用性

日付: 2011年01月01日 00時00分

 新年早々から少し物騒な話である。昨今の韓半島情勢は緊迫している。北韓金正日政権による昨年3月の韓国哨戒艦天安の撃沈、続いて11月の延坪島への砲撃はまさに戦争そのものだ。これからもこのような北韓による戦争行為が起こらない保証はどこにもない
▼話は少し飛ぶが、当紙の創立者の一人である故李栄根氏は、物事を理解するには概念の整理をしっかりすること、概念と概念の位置関係を把握することを、よく社員たちに強調したものだ。そうすることによって自ずから認識が整理され、当為性が明瞭になり、次の目標が生まれる
▼天安撃沈や延坪島砲撃をどう認識するかによって、それへの対応が180度違ってくることになる。休戦協定違反やNLL侵犯の挑発という範囲を超えた、戦争策動そのものだ。しかし、このような観点からすると、今の李明博政権はまったくと言って対応しきれてない
▼李明博政権の誕生の時もおかしかった。就任辞で「理念の時代は去った」「実用主義の時代だ」と強調したが、金正日政権の本質には一言もふれず、10年続いた親北政権の失敗に対する総括をせず今日まで来ている。「次善の策」を採っているといえばそうかも知れないが、実用主義は行動に移した結果の有効性を重視するものだが、「李実用主義」は全く物足りない
▼政権の任期も余すところ約2年。特別委員会をやたらと増設し、予算を配分すれば、褒賞政治に陥ること必定だ。対北政策や対中政策で起こった事象に対する概念の整理を行い、毅然とした姿勢で「韓国丸」を引っぱってもらいたいものだ。


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