本当にこれで良いのか信用組合=編集余話 瞻星台

日付: 2011年02月02日 00時00分

 在日韓国人を取り巻く環境は厳しい限りだ。日本社会全体が不況のなかで、「在日」が得意とする遊技、飲食など第3次産業はますますそうだ。企業規模は大半が中小・零細であるだけに資金繰りなどの苦労が多い
▼それだけ、金融機関とくに民族金融機関の役割は大きいが、そのほとんどが信用組合の形態をなしている。乗り物にたとえると、銀行が大型車なら信用組合は原付バイクや自転車のようなものだ。小回りが利き、細い道でもすぐ走ることができる特長を持っている。在日韓国人社会にはこれらの信用組合が各地域社会に存在し、それが計り知れない役割を果たしている
▼これら、各地の信用組合のヨコの連携を図る機関として韓信協(在日韓国人信用組合協会)がある。関係者の話によると、ここ数年の傾向は日本人顧客が圧倒的に多いようだ。出資、預金、運用の面でも日本人の比重が大きくなっているとのことだ。このような現実は自然の流れだろう
▼民族金融機関を思う人のなかですら、「これからは信用組合の時代じゃない」という声がある。しかし在日韓国人社会の環境を見る限り、小回りが利き、様々な場面に対応できる信用組合の役割は否定できまい
▼だが、残念ながら韓信協傘下組合で中央商銀は未だに活路を見出せない状態が続いている。昨年、8・15特集でも「これでいいのか民族金融機関」というタイトルで本紙も特集を試みた。今のところ効果は見られないのが現状だ。改善どころか、先月の日本紙で報道されるほどだ。数年前も巨額の金銭が職員によって着服された苦い経験をしたばかりだ。本当にこれで良いのか。


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