金成昱
1月19日の米・中共同声明は、「南北関係の改善が重要だという点を強調し、真情性のある建設的な南北対話が必須的措置であることに同意する」と明らかにした。韓半島の暗い現実を隠さず示してくれた合意文だ。金正日が死んでも、北韓は「急変事態」でなく「親中政権」の形で持続する確率が一層高くなった。
北韓政権が延長されると「(金大中・金正日の)6・15」や「(盧武鉉・金正日の)10・4宣言」方式の「連邦制赤化」という扇動はもちろん、これを履行するための天安艦爆沈、延坪島砲撃のような武力恐喝も続く。時間が経つほど北韓の核武器技術は進み小型化されて実践配置の可能性も大きくなる。北韓が紫霞里(黄海道)、上院洞(平壌)、玉坪(江原道)などスカッド-C基地に核兵器を配置した後、西海で砲撃などをやれば、韓国の報復は事実上不可能になる。外国人の投資が逃げ、株価が暴落すると、北側の要求を受容れて交渉しろとの世論が沸騰するはずだ。米国と中国も今度の「1・19共同声明」をちらつかせ「南北対話に出ろ」と促がすだろう。南・北の首脳が歴史的(?)な三回目の会談を開けば、「連邦制赤化」は逆らい難い大勢になってしまう。
韓国が「朝鮮労働党」の人質になるのを防ぐ変数は北韓の急変事態だ。ところが、すでに金正日政権は中国の下位体制のように変質された状態だ。中国も、去年の「天安艦」爆沈、延坪島攻撃を見て心を決めたようだ。韓国の世論分裂、支離滅裂、泥仕合を確認した後、北韓を政治的・経済的、必要なら軍事的にも横取り韓半島全域を影響力の下に置こうとする。「韓国は大したことない」という中国式決定は、限りない大陸の傲慢として表面化した状態だ。
米国もこういう状況を止められ難い。内心は北韓のレジームチェンジ(Regime Change)を望むが、優柔不断な韓国政府を抜いて北韓政権の崩壊を貫くのは難しい。北韓政権崩壊とこれによる大量殺傷武器(WMD)の流出、中国との対決のような頭の痛い状況よりは、中国に北韓の管理を任せる容易な解法を好むわけだ。
もちろん、米国のアジア大戦略は東北アジアの覇権にあるが、これは中国の民主化、さらに分裂のような未来の「大」戦略であるだけだ。今重要なことは、比較的に安定した韓半島の現状維持と北韓のWMDの非拡散だ。このため米国は「韓国民が望むなら」、「6・15」や「10・4」方式の連邦制赤化も構わないという常識的(?)な結論に達してしまった。
連邦制赤化への国際的ブレーキはすでに消えた。これを阻止する唯一の力は韓国の世論だ。万一、2012年左派政権が登場すれば、韓国は一定期間「連邦制」赤化に入るだろう。そこまででなくても、北韓の強穏策、武力恐喝と平和攻勢を通じての「6.15」、「10.4宣言」扇動が続く。
南韓の4,900万国民と北韓の2,400万同胞が生き残れる道はもはや一つだけだ。北韓住民による北韓政権打倒、そしてこのための対北心理戦である。2012年の左派政権阻止は、このための大前提だ。2012年の総選挙で、従北・親北・左派勢力をできるだけ排除し、大統領選挙で保守政権を延長させながら、ビラやラジオ、可能なあらゆる平和的手段を動員して北韓を揺さぶらなければならない。これは可能なことであり唯一の道だ。