趙南俊( 前月刊朝鮮理事)
孫鶴圭民主党代表の1月5日付の朝鮮日報インタビューを読んで二つの点で疑問を提起する。
一つ、「朴槿恵元ハンナラ党代表は『時代精神』に合わない」と言ったが、その「時代精神」が何を指すものかよく分からない。後で触れる話を総合してみると、「平和と福祉」を指すようだ。ところが、世の中に平和と福祉が重要でなかった時代がいつあったのか。お金がなくて平和が保てず、福祉を実践できないだけで、どんな国、どんな政権でも意志が無いためやれないのではない。これを特別に「時代精神」という格好よさそうだが、曖昧な常套語で包装する必要はないと思う。
二つ目、「朴槿恵議員も福祉の話をする。ところで、福祉は進歩・改革勢力に絶対有利な領域だ。安保も話すだろうが、国民は平和を選択すると思う」と言った。
この発言を分析してみると、孫代表は、安保と平和を対蹠点として捉えているのが確実だ。朴槿恵議員が安保を持出すだろうが、国民は彼女を選択せず、平和を持ち出す民主党の大統領候補に投票するというからの話だ。
安保は安全保障の略語だ。外敵の侵入から国土を守護し、国民の生命と財産を護ることが安保であり、これがまさに平和でなく何だろうか。夜に刀を持った強盗が侵入すれば、家族皆が一致協力してこれを制圧するのが家庭の平和を護ることだ。その前に、野球バットも用意し、非常ベルや鉄条網を設置するなど、強盗の侵入を予防することはもっと重要だ。侵入した強盗に屈服して金品と家の女をあげて命を乞うのが平和ではない。
本当に「時代精神」というものがあるなら、筆者は安保と(自由)統一を挙げたい。安保は当面の平和のための、統一はわが民族の永遠の平和のための必須条件と信じる。