金鎮晟(先進化教育運動代表)
官製の強制給食は憲法上の幸福追及権への侵害だ。
経済大国らが全面的な無償給食を実施しない理由は、給食は個人が選択すべき基本権という認識のためだ。大韓民国憲法第10条は「すべての国民は人間としての尊厳と価値を持ち、幸福を追求する権利を持つ」とした。健康、体質、好み、体調が異なり、小児肥満、糖尿、アトピーが蔓延する状況ですべての子供たちが同じ官製給食を強いられることは基本権侵害だ。
無償給食は無料でなく甘言の騙しだ。
外国の援助でやるのでない。納税者が食事代を出すと税金給食で、外国の借金でやると掛け給食だ。多数の庶民の税金で金持ちまでただで食べさせる金持ち給食だ。国の借金が400兆、年間利子が23兆なのに、食べた子供たちが成長後利子まで払うことを無料と騙す者は誰か。南側は親環境・無料の食事、北側は米の飯に肉のスープ、全部が甘言の騙しだ。
親環境の国産農産物とは幻影だ。
親環境農産物とは低農薬・低肥料であるだけで、農薬や肥料を与えなかった農産物はない。仮にあっても供給が不可能だ。わが国は農産物を輸入し工産品を輸出して生きる国だ。食糧の自給度が5%、米を入れても27%に過ぎないのに、どういう方法で親環境の国産農産物で賄えるか。親環境はわれわれが目指すべき方向であって現実でない。子供たちだけのためのことでもない。
土木事業に事寄せるのは理不尽な主張だ。
各種の土木事業、漢江ルネサンス、西海航路事業、ソウル・デザイン事業の予算を減らせば無料給食ができるというのは国民を欺くごり押しだ。給食費は毎年幾何級数的に増える消耗性資金だが、土木事業費は一回の投資で経済的剰余価値を生み続ける生産性資金だ。比較できないものだ。
「無償給食」主張は、2012年の総選挙や大統領選挙用だ。
国民多数が望む選別的・漸進的な無償給食に反対し、無条件・全面的無償給食を主張する政治的底意は、非正規職の「給食労組」の結成にある。今まで「全教組」をはじめ左派団体は委託でなく直営給食を固執してきた。そうしてこそ学校に非正規職の給食労組を結成することができるからだ。これからスト権はもちろん、政治活動も可能な「給食労組」が、「民労総」や民主労働党に加入すれば台風が来るだろう。
破廉恥な人々が「気まずい食事」をさせると扇動する。
民主党は、貧富の格差に関係なく他人を気にせず皆が食べられるようにすると言う。1年365日中160日を昼食だけ学校で強制給食を受けると子供たちが幸せだろうか。彼らの執権当時は無償給食10%を主張し、野党になるや一気に10倍に上げることは政治道義上破廉恥だ。学校は給食以前に廉恥を教える所だ。低所得層は教育で各種恵沢を受けているのに、なぜ給食だけを問題にするのか。住民センターを通じて両親に直接給食費を支援することに反対する理由が何か。
無責任な亡国的・無差別の福祉ポピュリズムの極致だ。
ソウル市よりも財政の自立度がはるかに低い地方自治体も全部やる「義務給食」をなぜソウル市はやらないかと食い下がる。財政自立度が30%にも達せず借金だらけながら無償給食が自慢できるのか。倉庫はがらんと空いているのに、ただで食べて見ようとするのは、無責任な亡国的無差別の普遍福祉ポピュリズムの極致だ。掛けなら牛も食べたいなら、地方自治体の牛でなく自らの牛から食べろ。国債や地方債は私達の子供たちが大人になってから返さねばならない重い借金であり負担だ。念仏より祭の食事に目が眩む政治家、庶民の税金や他人のお金で恩着せがましく振舞う政治家を追放しよう。
▲「無償給食」を議題にKBS、MBC、SBS TVをはじめTVや全ラジオ、全国巡回セミナーを通じて討論を提案する!
▲国会は学校給食法改正案を早く通過させ、学校運営委員会は直営か委託かの給食選択権を行使せよ!
Edu21kjs@hanmail.net 2010.12.29