「中国式改革・開放」の前提条件

重要なことは前提条件だ。
日付: 2011年01月03日 03時34分

金成昱
北韓の未来を中国式にしようという主張が多い。李明博大統領もいわゆる「中国式改革・開放」論を強調してきた。
 
李大統領は、1229日、統一部の業務報告を受けた後、「最も望ましい北韓の変化は中国のような変化だ。北韓も中国式変化を選択する道しかない」と言った。李大統領は、英国のファイナンシャルタイムズとの1029日のインタビューでも、「北韓が中国式改革・開放(中国程度の改革・開放)をやらねばならない」と促した。
 
中国式の改革・開放論は、急進的な統一を避けて漸進的統一へ進みながら統一費用や北の崩壊過程で戦争など危険性を減らせるという論理だ。自由統一をやっても、中国式の改革・開放を経て北韓の人権改善や変化を追求しようとすることだ。
 
中国式改革・開放論は魅力的だ。自由統一を恐れるようにさせる費用や戦争の恐怖を減らす。だが、この論理は一種の「迂廻動線」、回り道だ。中国式改革・開放が成功しても、自由統一をするためには結局、北韓政権を交替せねばならないからだ。
 
中国式改革・開放論は外交的だ。北韓の崩壊という概念を排除することで、北韓、中国、南韓内の左派からの攻撃を避けられる。しかし、この論理は自由統一という国民的合意(Consensus)が作れず、結局、永久分断に行くこともあり得る。
 
中国式改革・開放論の最も大きな危険性は、「太陽政策」と同様に北韓政権の維持・強化論理になり得るという点だ。もし、北韓が改革・開放でなく政権だけを維持、強化すれば、連邦制方式の赤化の恐怖は依然残る。
 
以上の理由から、「中国式改革・開放論」が自由統一のテコになれるためにはいくつかの条件が必要だ。まず、北韓が赤化統一路線を放棄せねばならない。具体的に、「朝鮮労働党」規約の改正と駐韓米軍撤収・連邦制統一などの主張も廃棄せねばならない。
 
二つ目、公開処刑、政治犯収容所、脱北者の強制送還、嬰児殺害、強制堕胎など人権蹂躙が中断されねばならない。
 
三つ目、「6.25動乱(韓国戦争)」時の拉北者や停戦後の拉致問題が解決されねばならない。天安艦爆沈、延坪島砲撃なども再発防止、責任者処罰、謝罪などが必須だ。
 
四つ目、中国へ旅行に行くように、韓国人の北韓旅行はもちろん、書信や通信など交流が保障されねばならない。
その他など等
 
中国式の改革・開放論が、北韓の赤化統一の放棄や人権蹂躙中断などと一緒に主張されないと、北韓や中国側に利用される可能性が高い。重要なことは前提条件だ。前提条件を付けない中国式改革・開放は、空虚であるだけでなく危険な主張になり得る。
 
www.freedomfighters.co.kr 2010.12.31 19:52

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