国民行動本部
1.北韓政権が核爆弾を小型化、長距離ミサイルに装着して実戦配置することで韓国の生存を脅かす日が近づきつつある。ウラニウム濃縮施設が本格的に稼動すれば核武器の量産体制を整えて、北韓は核強国になる。
2.こうなると、北側が天安艦爆沈と延坪島挑発のような事件を起こしても核武器を持たない韓国軍は膺懲できなくなる。韓国の「従北勢力」は、北側が挑発しても無抵抗主義で臨むべきだと言い祖国を北韓に従属させようとするだろう。従北勢力が政治と言論を掌握した状態で北韓軍が奇襲南侵し、ソウルを包囲して「現位置で休戦しよう。応じないと核武器を使う」と脅す時、国家指導部が果たして決死抗戦を決断できるのか疑わしい。韓米連合司令部が解体される2015年以後、米国が韓国のために核戦争を覚悟して核武装した北を武力膺懲できるのかも疑問だ。
3.中国は北の核開発を止めなかったばかりか、事実上支援したという事実が明らかになっている。シンガポールの李光耀初代首相は、「北が米・中の間で緩衝役割をなしているため、中国は日本が核武装をするようになっても、北の核武装を止めないだろう」と言った。そういう中国が主導した「6者協議」は、すでに国際詐欺劇と判明された。わが政府は未だ「6者協議」にばかり期待して「対話を通じての解決、平和的解決」を呪文のように唱えている。ハンナラ党は、祖国が「敵の核ミサイル実戦配置」の秒読みに入った危機状況でも「福祉ポピュリズム」だけを歌いながら、まるで他人事のように見物ばかりしている。
4.敵が核武器を持ったのに、自衛的次元の核開発をすべきだという動きすら起きない所は地球上で韓国だけだ。米国が提供するという「核の傘」は、北の核武装によってすでに「破れた傘」になった。北の核武装を防げなかった「アメリカの核の傘」は傘でない。「破れた傘」に5000万国民の生存を任せるわけにはいかない。雨の日に備えて、われわれの傘を準備せねばならない。
5.北韓政権を倒すか、北核施設を爆撃するか、公開的に対応の核武装をするしかない。安保を外国や国際社会に依存する国は独立国家でない。趙甲済ドットコム(chogabje.com)のインターネット世論調査によれば、韓国の対応核武装に賛成する世論が99%だった。韓国は自衛的次元の核開発意志を公開的に宣言せねばならない。核拡散防止条約(NPT)も、「核問題と関連した非常事件が、自国の至高の利益を危うくすると判断すれば、本条約から脱退することができる」と規定した。自らを護ることを恥ずかしく思うか、安保問題で敵の顔色を窺う者は奴隷だ。中・北が、核武装を背景に韓国を圧迫している状況で、敵に肩入れする従北勢力を放置する国は自殺を決心したと見るしかない。「戦犯集団」の核ミサイル実戦配置を阻止するため国民が何をやるべきなのかを政府は教えてくれない。国防まで米国に「外注」し、ウェルビーイングだけに耽溺するのか? 太った豚のように生きて、痩せたオオカミに食われるつもりなのか?
‐‐‐‐‐‐‐‐
[月刊朝鮮2006年12月号の朴槿元駐国連大使インタビュー]
金成昱(自由寄稿家)
*朴槿元駐国連大使:1927年慶南道固城生まれ。ソウル大学文理科大哲学科卒業、米ペンシルバニア大大学院政治学博士。駐米公使、駐ベルギー大使(EC、ルクセンブルグ大使兼任)、第12代外交安保研究院院長、GATT理事会議長、第11代駐国連大使歴任。韓米友好協会第5代会長(現)、漢陽大学行政大学院客員教授。
米国の核の傘は「破れた傘」
「北韓の核武装に対応して対応核を開発せねばならない」という主張が出ている。朴槿元駐国連大使が代表的な人物だ。彼は、「北韓の核武装に立向かえるほぼ唯一で効果的な方途は、対応核の開発だ」と言った。
問:われわれが核を開発せねばならない理由は何ですか?
「北韓の核独占を絶対許容できない国が大韓民国です。北韓の核武器を除去するか、それが不可能なら大韓民国も核武器保有国になるしかありません。」
問:持続的な支援で北韓の改革・開放を導き出せば、北が結局核を放棄するという主張もありますが?
「北韓の核開発は、北韓体制を護り、南韓を赤化するためのものなので、お金や米をいくら与えても金正日は決して核武器を放棄しません。
韓半島で北韓が核を独占することで得られる価値は無限大です。しかし、韓国も核を持てばその価値は零(ゼロ)になります。その時、核武器を放棄すればその代価としてお金や米が得られるという信号を送れば、その場合は金正日も核を捨てるのがもっと経済的ということを悟るようになるでしょう。」
問:北韓の核武器は米国の核の傘で十分対応できるではありませんか?
「北韓は、ワシントン、ニューヨーク、LAを核攻撃すると恫喝しています。こういう状況で北韓が挑発を起こすと米国が核武器を使用できますか?ソウルや東京が火の海になるのを覚悟できるでしょうか?
米国の核の傘は、北韓が核を持つ前まで機能したものでした。北韓が核を持った以上核の傘はもう『破れた傘』です。
過去フランスのドゴール大統領は、『米国がフランスを保護するためにソ連の核攻撃を覚悟してまで核の傘を提供しないはず』と判断し、核開発をしました。」
韓国のNPT脱退は国際法的に正当!
問:韓国の核開発が周辺国にどんな影響を及ぼすでしょうか?
「韓国が核を持てば、日本と台湾も核保有を推進する、核のドミノ現象が起きます。金正日政権の命綱を握っている中国は、そういう状況よりは金正日を捨てることを選択するでしょう。韓国の核武装は、北韓の核武器に対応する『最高の戦略的外交手段』です。」
問:韓国が核武器を開発するためには、核拡散防止条約(NPT)から脱退せねばなりませんが、それが可能でしょうか?
「論理的に、国際社会が責任を持って金正日の核武装を止められなかった以上、核の脅威に露出された韓国は、国家の生存次元の道を模索するのは当然です。」
問:論理的にはそうだとしても、国際法的に韓国のNPT脱退が可能ですか?
「NPT条約上可能です。NPT条約の第10条は、『各締約国は、この条約の対象である事項に関連する異常な事態が自国の至高の利益を危うくしていると認める場合には、その主権を行使してこの条約から脱退する権利を有する。当該締約国は、他のすべての締約国及び国際連合安全保障理事会に対し三箇月前にその脱退を通知する。その通知には、自国の至高の利益を危うくしていると認める異常な事態についても記載しなければならない』と規定しています。」
問:北韓がNPT条約を脱退した名分がまさにその第10条でありませんか?
「そうです。ところが、北韓の場合は至高の利益を脅かす状況も無かったし、脱退の前にすでに不法的にウラニウム濃縮方式による秘密の核開発をやっていました。
北韓と違って、韓国の至高の利益が危うくなったのは自明です。未だ交戦相手である北韓政権が核武器を保有し、侵略された韓国は核武器を持っていない状況でしょう。しかも北韓政権はテロ支援国家です。
国際社会は北韓の核武装を阻止できなかったし、大韓民国は核武装した金正日政権の前に真裸のまま露出された状態です。これ以上国家を危険に陥れる状況は想像できません。NPT脱退は国際法的にも正当なものです。こういう論理で条約から脱退すれば、脱退による国際的制裁や不利益を避けられるはずです。」
核武装のための汎国民運動を展開せねば!
問:米国がそのような状況を容認するでしょうか?
「米国は内心韓国の核武装の動きを歓迎するかも知れません。中国に対する圧力になるからです。重要なことは米国を説得するわれわれの意志です。『韓国の生存権と直結した問題』であると米国を強く説得しなければなりません。」
問:核武器開発のための手順はどうしますか?
「大統領は中国を訪問して韓・中国首脳会談で『1年内に北核が除去されないと韓国も核武器の製造に着手する』と警告しなければなりません。続けてロシアや日本にも同じ趣旨のメッセージを伝えなければなりません。」
問:対北宥和政策で一貫してきたこの政府に、果たしてそういう意志があるでしょうか?
「北韓の核実験は、わが国の至高の利益である生存権を危うくする事件です。この鳥肌の立つ事件に対して、大韓民国が鳥肌の立つ決心をせねばならない時がきました。韓民国も背水陣を敷かねばなりません。
1990年代中盤の第一次北核危機以来、米・北両者会談とジュネーブ合意、重油や軽水炉の提供、太陽政策で北に提供されたドルと物資、電力供給の約束など数多くの『ニンジン』が提供されました。去る7月のミサイル発射後は、安保理の警告や制裁などの『ムチ』が出ました。しかし、その結果は核実験でした。
政府が出るべきなのに動きません。今や残っているのは国民の力です。『金正日が核を放棄しないと大韓民国が核を作ろう』と汎国民運動を展開せねばなりません。」