金成昱
次期大統領選挙の有力候補であるハンナラ党の朴槿恵元代表の政策を担当する事実上のシンクタンク・「国家未来研究院」(仮称)が12月27日出帆した。
朴元代表の「国家未来研究院」の外交安保分野会員の洪鎔杓漢陽大教授は、「6.15宣言」を支持してきた人物で、崔大錫梨花女子大教授は、対北支援団体である「わが民族助け合い運動」の共同代表を務めている。
洪鎔杓漢陽大教授は、「6.15南北共同宣言の再照明:理論的背景と意味(統一研究院、2005年3月刊)」という論文で、「6.15宣言の第1項と第2項で統一問題を言及したが、結局これは韓半島の緊張緩和と平和定着の枠を作ったものと言える」と主張した。
また、「6.15共同宣言の第2項で、南北韓の頂上が、南側の『連合制』と北側の『低い段階の連邦制』に共通性があると合意したのは、事実上『2体制2政府』を認めたことで、『平和共存』への意志を表出したものと解釈できる」と付け加えた。
彼は、「一言で『6.15共同宣言』や後続対話は、官僚中心と制度的枠組みを土台にして交流、協力の政治化を模索するという新機能主義の発想を成功的に韓半島の状況に適用させたものと評価される」と激賛した。
論文は、「一言で、金大中政府は、南韓がより積極的な対北接近を通じて、南北関係改善の糸口を見つけられるという確信を持って自由主義的接近である機能主義および新機能主義理論に基づいて太陽政策を推進し、その結果『6.15共同宣言』という歴史的の成果を上げることができた」と結論付けた。
「6.15宣言」の第2項は、当時の金大中政権が「北韓側の低い段階の連邦制」、つまり北韓の赤化統一方案である連邦制統一を受入れたものだ。
「6.15宣言」は、大韓民国の憲法が命令する自由統一でなく、北韓政権を国家として認定して大韓民国政府と聯邦制で統一するというのが核心だ。「6.15宣言で登場する連邦制統一は、よく大韓民国政府と北韓政権が合意して対等で平和的な統一をするものと宣伝される。
南北が合意して対等で平和的に統一するという連邦制統一は、一見尤もらしい。だが、ここには致命的陥穽がある。北韓政権を国家的実体と認めるものだから、北側の代表は北韓で選び、南韓の代表は南韓で選び、「統一議会」ないし「統一国会」のような南北韓の合議体を構成することになる。
多くの人々がこの幼稚な詐欺劇に騙されてしまう。南韓の代表は、全部合わせれば北韓より多いだろうが、保守・進歩、左派・右派と四分五裂される。反面、北韓は「朝鮮労働党」の一党独裁だから全部「朝鮮労働党」(あるいは、その友党)所属として金正日政権の利害関係を代弁する。
したがって、韓半島全体を見れば「統一議会」、ないし「統一国会」の第一党は「朝鮮労働党」になる。つまり、北韓政権が自由民主主義という普遍的システムを受入れない状態で、連邦制統一とそのための「6.15宣言」が現実化すれば、北韓政権が韓半島を支配することになる。つまり、平和的に赤化統一するわけだ。
洪鎔杓教授は、2005年5月3日、慶南大学の極東問題研究所主催の「韓半島の平和体制構築」セミナーでも、いわゆる「韓半島の平和構築においての停戦協定の問題点」を考察した後、「ただし、統一問題において6.15宣言が共存の可能性を開いておいた」と好評した(出処:統一ニュース)。
朴槿恵議員の外交安保分野会員の中で、崔大錫梨花女子大教授は対北支援団体の「わが民族助け合い運動」の共同代表だ。この団体は、影潭(仏教放送理事長)、印名鎮(ガリラヤ教会の担任牧師)、崔完圭(北韓大学院大学校副総長)氏などが常任共同代表で、鄭義和(国会議員)、千正培(国会議員)、李庸瑄(市民平和フォーラム共同代表)氏などが共同代表を務めている。
「わが民族助け合い運動」は、ホームページで「人道的な対北支援や南北間の交流事業を通じて南北間の反目と対立を解消し、韓半島の平和定着と民族の和解と共存を成すことに寄与したい」という趣旨を明らかにしている。
崔教授は、2005年7月21日、「わが民族助け合い運動」の創立9周年記念討論会で、「支援事業を通じて南北韓の住民同士が互いの存在を認識し、特に北側住民たちは南側に対する理解が次第に肯定的に変わる結果を齎した」と評価した(出処:統一ニュース)。
「わが民族助け合い」という言葉は国民への一種の詐欺だ。彼らは主に北韓政権を助けただけ、民族を助けたことも、しかも互いに助けたことは殆どない。