シンガポールの北韓大使館内に事務所を構える海運会社、東海シッピングエージェンシーと鎮浦シッピング株式会社が注目されている。
北は中東に向けた武器輸出で石油を獲得し、シンガポール経由で輸入しているが、これらの海運会社が国連の制裁対象である武器取引の代価で購入された石油類の輸入代理店ないし取り次ぎ会社として活動しているためだ。北の不正資金を封鎖する活動をしている日本のNPO法人、アジア人権代表(本部・東京、加藤健代表)はシンガポール政府に刑事告発を進めることを明らかにした。
東海シッピング・エージェンシーの設立は1984年とされている。親会社は朝鮮東海海運会社で、東海シッピングはそのシンガポール法人として設立され、役員は全員シンガポールの市民権を持つ。朝鮮東海海運会社は96年、大阪港からサリン原材料の密輸をしようとしたことがある。06年7月のミサイル連続発射で北企業に米国が金融制裁したのを受けて日本政府が独自に銀行口座を事実上凍結する措置を講じた15団体・1個人のなかに朝鮮東海海運会社が含まれる。鎮浦シッピング(株)は1970年設立。海運代理、海運雑貨、卸売貿易を事業としている。