ムン・ソンフィ(自由アジア放送)
MC:9月の初めと予想された労働党代表者会が延期されながら、北韓住民の間に金正日の健康異常説が急速に広がっているというニュースです。依然会議開催日も明らかでありません。ソウルから文・ソンフィ記者が伝えます。
地方党の代表選出を急ぎながら当初9月初めと予想された労働党代表者会が「9・9節」が過ぎた今日までも日程さえ知られていません。明確な理由なしに党代表者会が開かれないため北韓住民たちの中で金正日国防委員長の健康異常説が広まっています。
韓国の一部言論や対北専門家たちは、北の「国慶節」である9月9日に労働党代表者会が開かれるのではないかと予想しましたが、平壌は代表者会と関連して何の指示も出せませんでした。
これと関連して脱北知識人団体である「NK知識人連帯」は9月9日、北韓内消息筋を引用して、現在新義州地域の水害被害が深刻である上、住民世論も非常に良くないと伝えられていると言い、党代表者会が9月中旬に延期されたと明らかにしました。
ところが、自由アジア放送の北韓消息筋らはこういう主張に対して、「北韓当局が口実にする弁解に過ぎない」、「金正日の健康に問題が生じたと見なければならない」と主張しました。
咸鏡北道羅津市のある幹部は、「咸鏡北道党および行政幹部会議が9月7日、道党会議室で行われた」、「会議の主題は国家経済活性化のためウォン(北韓貨幣)による統制を強化することに対する内容」と伝えました。
彼は、会議に参加した道党組織秘書が、平壌に滞在中の責任秘書との電話通話内容を話しながら、「将軍様(金正日)の健康が良くないため会議を延期した」と言ったと伝え、「私たちが仕事をまともにやらなかったため将軍様の健康を守ってあげられなかった」と働き手らを批判したと説明しました。金正日の健康問題で党代表者会が開かれていないという内容を無意識的に露出させたということです。
平安北道新義州市に隣接した朔州郡の消息筋も、党代表者会が遅れていることと関連して、金正日の臥病説が住民の間に広まっていると伝えました。
彼は、新義州の洪水被害のため党代表者会が延期されたのかという質問に対して、「絶対にそうでないはず」と断言しながら、「洪水で混乱の渦中でも新義州市で地方党の代表者会議が正常に開かれ、会議の代表らが平壌へ出発した」と話しました。
8月21日、鴨緑江が氾濫して広い地域が浸水したが、8月25日に地方党代表者会議が開かれ、26日には金正日を党代表者として推戴する集いが別途に開かれた点を強調しました。
洪水被害と関連しては、「周辺の軍部隊と大学ら、工場・企業所が総動員されて復旧作業を行っているものの、装備や資材がないため皆諦めている状況」としながら、「食糧とセメントがないため復旧が出来ないだけで、人手が足りなくて復旧が遅れているわけではない」と話しました。
新義州市の場合、9月9日現在、中国人民元1ウォンに北韓の貨幣238ウォンであり、食糧価格は白米(稲) 1kgに1200ウォン、とうもろこしは660ウォンと知られています。特に、洪水の前セメント1kgが北のお金で130ウォン程度だったが、今は280ウォンまで値上がりした状態で、それさえも北韓産でなく大部分が中国産セメントだそうです。
この消息筋は、「新義州の洪水被害のため党代表者会が延期されたとすれば、結局今年中は党代表者会が開けないという話も同然」と言いながら、「今こちらでは党代表者会が開かれないことと関連して、金正日がまた倒れた、など彼の健康関連うわさばかりが蔓延している」と強調しました。
一方、「朝鮮中央通信」は9月8日の夜明けに、金正日が963軍部隊として知られている護衛総局芸術宣伝隊の公演を観覧して励ましたと報道して彼の健在を誇示しました。護衛総局は外部露出や報道が徹底的に禁じられている秘密部隊です。