北韓空軍所属のミグ21機が17日、中国東北部で墜落した。事件は、北内部が極度に分裂していることを示唆している。
中国当局は機器の誤作動による事故と発表したが、墜落地点が中朝国境から200キロメートルも離れているという点からみて説得力がない。墜落で死亡したパイロットが、本来2人乗りなのに1人だったのも不自然だ。軍の階級章がなかったという未確認情報もあり、操縦士が脱北を試みた可能性も浮上している。
北韓内では今年に入り、官民ともに窮状が広まっているという。食糧の配給停止は平壌と近隣の地域までおよび、農民市場の取り締まりにあたる保衛部員も大幅に減ったという映像が次から次へ公開されている。北韓式統制が崩れ、政権内部の亀裂が外部に表れたものと見ることができる。
「開かれた北韓放送」は、金正日・ジョンウン父子は実質的に共同政権の形をとっており、徐々にジョンウン氏の影響力が強まっていると伝えている。同放送が引用した消息筋によると、昨年までは金正日とジョンウン氏の比率は6対3であったが、現在は3対6に逆転。残る1は、張成沢、金永春、呉克烈ら側近の比率と見ている。
(ソウル=李民晧)