趙甲済
「余っている米を飼料に使いながら北韓に支援しないのは度が過ぎる」と批判する人々が多い。ここで「北韓」が誰を指すのかが重要だ。北韓住民をいうのか? 李明博政府は、米が住民たちに直接届くということが確認できれば支援したいという態度だ。北韓側に与える米はほとんどが北韓労働党と軍隊に回される。住民には届かない。したがって、「北韓」は「北韓住民」でなく「金正日政権(朝鮮労働党と軍隊)」を意味する。そうだとこういう意味になる。
「余っている米を飼料に使いながら金正日政権に支援しないのはひどい」。この批判には問題がある。余っている米を飼料にしても金正日政権に支援してはならないためだ。金正日は南韓から米を貰って軍糧米に充て、市場で売って、そのお金で核を開発しスパイを南韓へ送るのに使う。金正日政権に捧げるお米はお金に変わって北韓政権の軍事力と対南工作能力を向上させる。
それだけでない。金正日と政権を腹がいっぱいにさせたら、彼らは北韓体制を改革・開放すべき必要性を感じなくなる。左派政権の対北無条件支援は、北韓政権の改革・開放意志を抹殺した。
金正日が飢えてみてこそ食糧問題の解決のための改革を行うことになる。その改革は簡単だ。農地の私有化を許容することだ。中国でそうしたところ簡単に食糧問題が解決された。
わが政府は北韓政権に対して、農地を私有化すれば食糧を支援すると提案せねばならない。金正日は獣にも劣る独裁者だ。どの獣が同族を300万も飢えさせて殺すか? 獣にも劣る人間や側近たち、すでに十分に腹がいっぱいである彼らに米を与えるよりは、従順な家畜に飼料として与えるのが人道的にも正しい。