北側、「統一なしには強盛大国は不可能」と学習

日付: 2010年08月11日 17時30分

ジョン・ヨン(jungyrfa.org、自由アジア放送記者)
 
「千万軍民が強盛大国の建設を成遂げよう」という北韓の宣伝画(写真-聯合ニュース提供)
 
MC:最近、北韓が2012年の「強盛大国」建設と関連して新しい政策決定を示唆する指示文を全体党員と幹部らに浸透(下達)したことが分かりました。今置かれている強盛大国建設の困難を訴え、祖国統一部分が強調されたものと分析されています。ジョンヨン記者が報道します。
 
最近、北韓が当面の情勢と関連した政策変化の意図を盛込んだ中央党の指示文を全体党員と幹部らに下達したと北韓内部事情に明るい対北筋が86日、自由アジア放送(RFA)に伝えました。
 
匿名を要求したこの消息筋は、「去る7月末頃、強盛大国建設と関連して北韓が現在置かれている対内外情勢と関連した対策に関する労働党中央委員会の指示文を、各道党を経由し全国の市・郡党に下達した」と自由アジア放送に伝えました。
 
この消息筋によれば、指示文には、「強盛大国の門を開くためのわが党と人民の力強い努力闘争と建設事業が、米帝と南朝鮮傀儡らの厳重な挑戦にぶつかった」とし、「われわれが祖国統一をせずには強盛大国の建設も、社会主義の勝利も成遂げられない」と強調されました。
 
「指示文」また、「米国と南朝鮮は強盛大国への癌的な存在、暗礁のような障害物」と指摘し、「全党、全国民が総動員されて首領様(金日成)の遺訓である祖国統一を操上げて遂行することが強盛大国建設の先決条件」と言及し、強盛大国よりは祖国統一が先という点が新たに強調されました。
 
指示文は、「この問題を解決できる戦略と戦術を将軍様(金正日)の後を継ぐ‘青年隊長’が構想している」としながら、「全体党員と勤労者たちは、白頭から始まった革命伝統を継承するため‘青年隊長’に従って力強く進まねばならない」という内容だったとこの筋は伝えました。
 
一方、中央党の指示文が下達された後、各道党では傘下市・郡党に講師たちを派遣し、幹部情勢講演でこの内容を地方の幹部たちに浸透させたとこの消息筋は付け加えました。
 
「幹部情勢講演」は、毎週土曜日に各市・郡党で地方の工場・企業所の支配人、党秘書らを集めて行う会議で、北韓では中央の指示を地方に伝達する主要な窓口として活用しています。
 
この講演でも、「2012年まで強盛大国が建設される」と言った北側の強盛大国の論理が登場せず、「ひとえに統一、米帝と南朝鮮傀儡徒党を掃き捨てずには強盛大国も無い」と釘をさしたと講演に参加したある幹部の話をこの消息筋は伝えました。
 
この情勢講演では続けて、「南朝鮮傀儡らがありもしない‘天安’号事件を持ち出して強盛大国を建設しようとするわれわれの前途に悪辣に立ちはだかっている」としながら、「北南関係の改善もこれ以上望めなくなった」と主張して、聞いた人々は「(北韓当局が)これから平和的な南北関係の改善を放棄したものと感じた」と消息筋は伝えました。
 
講演会は、終始真剣さの中で行われ、一部の幹部たちは会議が終わった後、「では戦争でもやって南朝鮮へ押掛けて行くのか?」と、青年隊長が持っているという「対策」が何かを思い巡らす表情だったと消息筋はその雰囲気を伝えました。
 
これと関連して匿名を求めたある対北専門家は、「過去北韓が‘2012年まで強盛大国を建設する’と大言壮語してきて、最近天安艦事件などで内外の条件が不利になって強盛大国が難しいと思われるや一歩下がったようだ」とし、「来る9月の党代表者会を通じて後継体制も整備せねばならないため、党整備の次元でこのような指示文を地方に送ったようだ」と分析しました。
 
www.rfa.org 2010-08-06

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