梁・ソンウォン(自由アジア放送)
MC:北韓の核とミサイルなど武器拡散に対する国際社会の憂慮が高まる中、北韓官吏が外交郵袋を通じて大量殺傷武器(WMD)関連物質も秘密に取引ができるという指摘が出ました。詳しい内容をヤン・ソンウォン記者が伝えます。
アメリカのノーチラス研究所のマーク・バレンシア専任研究員は、最近PSI、つまり大量殺傷武器拡散防止構想と関連した寄稿文の中で、北韓はPSI体制をいくらでも逃れられると言いながら、北韓官吏が外交郵袋を通じて大量殺傷武器関連物質を秘密に取引する可能性が現にあると指摘ました。(There is always the possibility of using 'diplomatic pouch' to smuggle critical WMD elements,just as it has been used to smuggle drugs and counterfeit currency)
アジアの国際関係や海洋政策専門家であるバレンシア博士は、米国ジョンズホプキンス国際大学院所属の韓米研究所(USKI)に寄稿した文で、北韓外交官が、外交郵袋を通じて麻薬とニセ札を不法取引したことがあると言い、これと同様に大量殺傷武器関連物質も外交郵袋を通じて十分に運べると指摘しました。
バレンシア博士は、また、中国とロシアが参加しない大量殺傷武器拡散防止構想では北韓側の武器拡散を確り防止できないとしながら、北韓が大量殺傷武器関連部品を中国やロシアの国境を通じて陸路で運ぶ場合、その取引を追跡するのが非常に難しいと説明しました。
バレンシア博士は、また、北韓が、監視が厳しい自国船舶を利用せず他国の船舶や航空機を利用してミサイルあるいは他の武器関連技術を輸出できるし、外国人名義で船舶や航空機を借りるか第三国を通じての取引などで監視網を逃れるのができると話しました。
バレンシア博士は、武器類の運送が不如意なら、北韓は最初から武器輸入を望む国家に組立て工場を作り、現地で直接武器生産もできると付加えました。(North Korea could also build assembly factories in importing countries to circumvent an entry ban on its ships in ports)
バレンシア博士は、北韓の大量殺傷武器拡散を防ぐためには、PSI体制に中国とロシアを必ず参加させねばならず、このため国連安全保障理事会が関連決議案を採択してPSI活動に強制力を付与する必要があると主張しました。
バレンシア博士は、安保理の決議を通じてPSI活動に物理力を使用できる権限を付与し、国連の旗を揚げた船舶が、公海上でPSI活動を遂行できると説明しました。
バレンシア博士は、またPSI活動の調整と財源の用意などの任務を遂行する中立的性格の組織を作れば、PSI活動の透明性が確保できるはずと付け加えました。
一方、PSI、すなわち大量殺傷武器拡散防止構想は、武器を運搬すると疑われる船舶や航空機を検査して大量殺傷武器拡散を遮断するとの趣旨で2003年米国のジョージ・ブッシュ前行政府の主導で導入され、韓国を含む全世界97ヶ国が参加しています。
*写真は、平壌の「アリラン集団体操」の一場面。