金素烈(デーリーnk)
金文洙京畿道知事は、6月16日、北韓人権法通過に否定的な政界や北韓人権状況を冷遇するいわゆる「太陽政策論者」らの二重性を批判した。
金知事はこの日、国民行動本部、ニューライト全国連合、先進化市民行動、民生経済政策研究所の共同主催で世宗文化会館で行われた、「新しい対北戦略2012」討論会での特講を通じて、「(韓国社会内の一部勢力は)ともすれば人権を言うが、北韓人権法を通過させれば『戦争が起きる』だの『南北関係を緊張させようとする』だのと非難する」と指摘した。
金知事は、「この頃『MBアウト』・家へ帰れと叫ぶが、北韓は、金日成が死ぬまでやり、2代目がまたやり、3代目の青二才の金・ジョンウンまでやろうと大騒ぎをしている」と言って、金正日政権に沈黙している勢力を叱った。
天安艦への対北対応措置の一環として軍が心理戦を専担して再開することにした決定に対しても、金知事は「拡声器放送を必ず軍がやる必要があるのか、放送は公営放送を通じて行うべきだ」とし、民間団体を通じての心理戦も提案した。
彼は、「脱北者が発信するメッセージがもっと北韓住民たちの心の琴線に触れる。文ももっと適切に書け、心が通う話をきちんと言える」とし、「北韓は民間が飛ばす風船には大砲を撃てない。悪賢い北韓集団を相手にする時は私たちが彼らよりもっとずる賢くならねばならない」と言って聴衆から拍手が起きた。
同時に、金知事は「苦しんでいる北韓住民の心の隅々まで察する作業をしなければならない」と言い、北韓人権改善と北韓民主化運動の必要性を指摘した。
また、「皆が(北韓の民主化が)不可能だと考える中で小さな種を見付け出し、そこに火をつけなければならない」、「このためには確実な国家的課題として力を集中し予算も配置して最も優秀な人材を配置する誠意を尽せねばならない」と強調した。
引き続き、「統一は左派のもの、分断は右派のもののように認識されてはならない」、「左派は北韓のようになる統一だから、右派がいう大韓民国のように成功した歴史を持った統一へと行かなければならない」と力説した。このためにはハンナラ党の奮発が必要だと金知事は言った。
左偏向的な近現代史の教育に対する問題点も指摘した。金知事は、最近、邑・面・洞の公務員500人を対象に行った教育で、大韓民国の建国者を尋ねた質問に「李承晩」と答えた人はわずか5%に過ぎない反面、「朝鮮民主主義人民共和国」の建国者に対しては30%程度が「金日成」と答えたエピソードを紹介しながら、「李承晩に対しては不正選挙、朴正熙はクデダと維新独裁、全斗煥、盧泰愚などは全部悪いとばかり教えている」と憂慮した。
玄仁澤統一部長官は、祝辞で「2012年は韓半島と周辺国皆に政治的転換期となる重要な年」と言い、「これから2~3年が核問題を含む韓半島問題の分水嶺になる」と披露した。
玄長官は、「北韓も結局、選択の岐路に立たされる」、「今われわれには当面の南北関係だけでなく、韓半島の将来までを念頭に置く長い眼目の総体的対応が必要だ」と話した。
天安艦事態と関連して玄長官は、「当面は困難があるだろうが、政府は天安艦事態に動揺せず対処していく」、「北韓の間違った態度を正し、南北関係が正常になるようにする」と付け加えた。
*写真は「対北戦略」特講で北韓民主化運動の必要性を力説する金文洙京畿道知事は。