温・ジョンリム(ニューデーリー)
金成萬元海軍作戦司令官(予備役海軍中将)が、天安艦以後の北側のターゲットは西海5島だと強調した。金提督は、「西海5島の占領は、金正日が2012年の強盛大国完成のためかなり前から準備してきたもの」とし、「北韓はこのため昨年の1月からNLLの無効化宣言、南北政治-軍事合意事項の無効化、地対艦/艦対艦ミサイル発射、西海5島へ出入りする艦艇への安全不保障宣言、大青海戦の挑発および2010年1月の海岸砲/長射砲のNLL海上への射撃などの手順を歩んできた」と説明した。
韓国国防研究院(KIDA)も、昨年12月25日の報告書「2009年度国防予算の分析・評価および2010年の展望」で、北側が第3次核実験や局地的挑発を敢行する可能性が充分だと分析した。KIDAは、北韓が敢行できる局地戦のシナリオとして白翎島侵攻、陸上軍事境界線(MDL)での衝突、空中衝突などを挙げた。特に北韓が速戦・速決で白翎島を侵攻し占領を図る可能性が高いと分析した。
金提督は、「北韓が西海5島を狙うのはシナリオでなく足元に火がついたもの」とし、「西海5島は地理的に北韓に近すぎて韓国が単独で防御するのが容易でない」と言った。
また、東海と西海の接敵海域で警備するわが艦艇がほとんど北側の魚雷攻撃に露出されていると指摘した。金提督は、「これに対する対策が至急に講じられねばならない」、「第2-第3の天安艦事件も時間の問題」と強調した。
金提督は、「天安艦沈没後、国防部が北側潜水艦艇の浸透に備えて哨戒艦など水上艦のソナーとレーダー体系の性能を補強し、白翎島と延坪島などに配置された海-空軍レーダーの性能も改善する事業に着手することにした」と紹介した。
金提督は、「だが、北韓側の水中脅威に対する対応は多額の予算を投じても短期間で完了できるものでもない」と指摘した。金提督は「北側の70余隻の水中戦力は強力だ」とし、「干潟でも高速機動が可能な空気浮揚艇130隻余り、高速上陸艇90余隻など260隻余りの特殊部隊兵力輸送手段を持っている」と強調した。
KIDAは、「北韓が地対艦ミサイルや海岸砲で攻撃してくるとわが軍も艦対地や地対地ミサイルで反撃するしかなく、地上戦に飛び火する可能性も少なくない」と報告した。また「北韓が対南全面戦争の決定は容易ではないが、西海での局地戦は状況によって挑発できる」と予想した。
こういう現実的脅威に対して、金提督は西海5島に海兵隊を増強し、UAV-対砲兵レーダー-対空ミサイルなどを配置せねばならないと強調した。また、海軍は優秀な性能の駆逐艦と潜水艦を前方に配置すべきだと忠告した。艦艇が足りないと生徒の巡航訓練の期間や歴訪国を調整し、リムパック(Rimpac)訓練参加も再考せねばならないと主張した。
金提督は、「米海軍艦艇と海兵隊兵力を韓国に常駐させねばならない」、「特に、米潜水艦戦力を利用して北韓の水中勢力を封じ込めねばならない」と強調した。