大阪地区特別講演会「韓日関係―これからの100年」(下)

「未来志向で関係強化を」―呉榮煥・駐大阪総領事
日付: 2010年03月17日 00時00分

 今年は日本が韓国を併合して100年、韓国戦争勃発60年、韓日国交正常化45年という節目の年です。過去の歴史を振り返り、今後100年の望ましい韓日関係を描こうとすることは大変意義深いことであります。

 韓日両国は隣国として、古代よりさまざまな関係を結んできました。近代に起こった不幸な歴史が、今でも両国関係に影響を与えていることは事実です。しかし今後、両国は主権国家として、両国のためだけではなく、この地域、そして広く世界の繁栄に向け、力を合わせて努力していかなければならない時代ではないでしょうか。

 このような観点から、両国間におきまして、相互交流が拡大し、理解が深まり、未来志向的な友好関係を構築していく土台が整っていることは、とても幸いなことです。

 この講演会が、過去の歴史を清算し、両国が成熟したパートナーとして、新しい友好関係を築き上げていくうえで、意味のある会合になることを期待します。

最近の北韓情勢、かつてない末期的な状況―姜昌萬・本紙社長

 北が昨年行った貨幣交換を、経済学的な意味でデノミとみるのは大変な間違いといえる。
 90年代から北は極度に貧しく、配給が滞った。それを補うために、「自分たちでなんとか飯を食っていきなさい」と、市場を開放した。
 住民の面倒を見切れないから市場経済の真似事をしてみたものの、党幹部や一部の住民が中国との貿易などで若干の富を蓄積するようになった。

 金正日は彼らを統制できなくなった。そこでデノミを名目に彼らのカネを取り上げてしまったのが実態だ。そうしないと政権を維持できない。そこまで追い詰められている。
 金正日は政権維持のため、まず国防委員会を労働党の上に置いた。そして側近中の側近である呉克烈を国防副委員長に格上げし、体制固めをしているもようだ。さらに各道の党書記の配置を見ると、万一の政権崩壊にそなえて、外国に逃げる準備までしているといわれる。

 逃亡先は中国ではなく、ロシアがもっとも有力だといわれている。
 ポスト金正日体制で、よく妹婿の張成沢を中心にした集団指導体制をとるのではないかとも言われているが、独裁者というのは、「死ぬまで自分がやる」、「死ぬまで権力を離さない」という人が圧倒的に多い。「集団指導体制」は根拠が薄い。

 一方、総連組織は昨年末に今年度の活動方針を打ち出している。「6・15」、「10・4」宣言の実践や、「合作・合弁」、すなわち民団内でも積極的に協力者をつくれ、と指示している。金正日の指導に命をかけて応えていかなければならないとも強調している。

 朝鮮学校卒業生を中心につながりを復活させ、30代・40代の非専従活動家を動員して青年商工人組織をさらに拡大せよとも強調している。
 北の人々は、「日帝植民地」以上に過酷な奴隷状態に置かれている。彼らを奴隷状態から解放するために、在日同胞は努力しなければならない。

<会場で共に考えた未来>

 特別講演会には民団大阪・婦人会・商工会議所関係者や本紙読者など87人が参加。終了後には懇親会も開かれた。

 


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