チョンヨン(自由アジア放送)
最近北韓の高位幹部たちと上流層が米ドルと中国元を集中的に買い始めて、闇取引の為替レートが急上昇しています。 ワシントンからチョンヨン記者が報道します。
最近、北韓の外貨為替レートがずっと騰勢を見せています。咸鏡北道清津市で去る1月末100ドルが3万ウォンほどで取引された闇為替レートが、今は三倍程上がったと北韓の内部事情に明るい対北貿易商人が2月26日伝えました。
貿易商人:この頃は為替レートが無茶に上がります。今は100ドルが10万ウォンを突破し、中国元は3日前すでに100元が7800ウォンから2千ウォン上がって9800ウォンです。
この消息筋によれば、現在闇取引の相場は、朝鮮貿易銀行が貨幣改革後発表した公示為替レートの1ドルに96.9ウォンより10倍近い金額です。
「貨幣ショク」があった1月中旬、平壌市と新義州で100ドルに最高8万ウォンまで上がってから3万ウォン台に墜落した以来1ヶ月ぶりにまた騰貴現象が現れているということです。この傾向なら、これから外貨相場が貨幣改革以前の1対3800を超えるのは時間の問題だとこの消息筋は話しました。
この消息筋はドル価格が上がりながら人民元の為替レートも100中国元が9千800ウォンに上昇したと話しました。両江道の恵山市に住むある北韓住民も2月24日、「今恵山市で人民元100ウォンが1万ウォンで交換される」と言い、米の価格も中国元の価値により同伴上昇していると伝えました。現在恵山市の市場で米はkg当り550~600ウォンに販売され、買えない一般の人々は虚脱状態だとこの住民は伝えました。
中国丹東の住民らも、「朝鮮に住む親戚(華僑)たちが人民元の価値が上がり続けるのは良いが、一方では朝鮮のカネがまた使えなくなるのでは、と思って中国元を売るのも怖いという」と言い、これから北韓内で元貨の不足現象が現れると思うと話しました。
最近ドルの相場が急上昇する理由は、北韓で幹部たちと上流層が競争的に外貨を保有するためです。平壌市の楽園デパートと大城デパートなど外貨商店の前には闇ドル商人たちが陣を張り、外貨を購入する人々は大部分が顔見知りの幹部たちの奥さんや在日同胞、貿易関係者の家族などだ、とこの前瀋陽にきたある北の貿易関係者が話しました。
彼は、「国がいくら外貨使用を禁止してもある程度余裕のある人々や上の人(幹部)たちはドルを持っている」、「楽園デパートや大城デパートは元々ドルの闇取引場所だったから今も人々がたくさん集まる」と言いました。
北韓の上流層がドルを確保する理由に対してこの消息筋は「朝鮮で2次貨幣改革を行うという噂が広がりながら外貨を保有する人々が突然増えた」、「1次貨幣改革は7.1経済措置であまりにも上がった物価を抑えるため実施されたが、今後2012年の強盛大国を宣言すると同時に新しい貨幣が出る」という話を北韓高位幹部から聞いたと伝えました。
このうわさが広がりながら、平壌のかなりの幹部たちや住民らも外貨を保有しようと競争し、また一部では北韓のカネの代りにカラーテレビやVCD、ピアノ、高級衣装だんすなど物で保有しようとしているとこの消息筋は伝えました。
韓国政府も、「北韓で2次貨幣改革のうわさが立って上流層がドルを買い、中国の不動産相場を問い合わせする」という情報を入手して事実確認に出たと知られています。
中国瀋陽で北韓貿易機関の幹部と接触している朝鮮族事業家の朴・チョンギル(仮名. 43才)氏も、「朝鮮の貿易関係者の中では中国にある知人などを通じて借名口座を作り、外貨を隠匿し不動産投資に関心を示すなど色々な動きを見せている」と話しました。
朴氏は、中国を出入りしている貿易幹部の中には最近後継者として浮上している金・ジョンウンの側近たちも多数含まれているとしながら、彼らはすでに北韓の主要経済分野に続々と配属され、これから北韓経済を主導すると見られると伝えました。
写真は平壌の楽園百貨店