趙甲済
1997年頃以降、再び金正日政権が存亡の危機を迎えた。13年前よりさらに悪化した条件だ。
*13年前は見られなかった新しい現象
1.北韓住民たちが反金正日感情を公然と表出する。
2.「労働党」の幹部層が動揺しており、一様に中国式の改革・開放を望む。
3.住民たちに携帯電話、ラジオ、ビデオ、パソコンなど情報を拡散させられる手段が増えた。
4.何よりも普通の人々の生活が市場経済化し、物価に敏感に反応するようになった。
5.核爆弾と長距離ミサイルを開発して保有している。
6.中国の韓半島に対する影響力が増大した。
7.日本の対北制裁が強化された。
8.韓国内親北勢力が大きくなり、一方、脱北者も増えて影響力が強くなった。
9.南・北韓の接触の場が広くなった。
10.北韓の対南経済依存度が大きくなった。
11.金正日の健康が悪くなり、後継体制は確立されていない。
金正日政権に有利な点と不利な点が混在しているが、総合的に見れば崩壊可能性が高くなった。韓国政府と国民が、意志と勇気と戦略を持ってこの機会を活用すれば自由統一へ進む道が開かれるはずで、利己主義に陥ってチャンスから逃げれば、分断の固着になる可能性が高い。政府や国会、そして企業ができることと、国民がやらねばならないことのリストを作ってみる。
*政府と国会と企業がやるべきこと
1.憲法の命令の通り、「朝鮮労働党政権の平和的解体による自由統一」を国家目標と国家意志として確認する。
2.この目標を達成するための主務機関は国家情報院だ。
3.南北交流基金など国家予算をこの目的のために集中的に投入する。
4.対北支援においては、人道主義よりは人権の原則を優先させる。北韓住民への支援より脱北者および北韓人権団体の支援が優先だ。
5.北韓の反人類的犯罪者に対して控訴時効なしで処罰することを警告し、また決議する。その以外の(北側の)人々には統一過程で処罰しないというメッセージを送る。
6.「脱北者雇用促進法」を制定して彼らの定着を助ける。この事実が北韓に伝えられて脱北者が増えるようにする。脱北者たちに北韓の変化を誘導する媒介の役割を付与する。
7.企業は北韓政権を弱化させ、北韓住民を覚醒させて、大韓民国守護勢力を強化させる方向にカネを使う。
8.周辺国らに向かって、南北統一は民族自決の原則によって解決されねばならないという事実を持続的に強調する。
9.韓・米・日同盟‐友好関係を強化し、対中戦略会談を続ける。
10.自由統一の不可避性と正当性に対して対国民教育を強化する。
11.2004年から中断した休戦線での対北放送を再開し、北韓軍を覚醒させて有事に備える。
*国民がやるべきこと
1.「対北風船」および「ラジオ送り」運動を支援する。
2.脱北者救出運動を支援する。特に、軍人と幹部層の脱出を助ける。
3.政府と国会が自由統一事業に積極的に臨むように圧力を加える。
4.選挙の時、自由統一勢力を政治的に支援する。
5.自由統一にともなう負担と危険を甘受しなければならないという世論を拡散させる。
6.自由統一を準備するため法治を確立し、率先垂範して、勤倹節約する生活をする。
7.北韓で騒擾が発生するとこの事実を速かに知らせる。特に、北韓住民たちに。