国際社会との資金パイプを絶たれた北朝鮮が、対南工作機関の統一戦線事業部長で中国通でもある金養建を先頭に立て、外資導入に乗り出した。韓国にもパイプをもつ中国朝鮮族の実業家と組んでの試みで、中国・韓国からの資金導入に狙いを定めた。
朝鮮中央通信によると、「朝鮮大豊国際投資グループ」は20日、平壌で設立理事会を開き、理事長に金養建・朝鮮アジア太平洋平和委員会委員長、常任副理事長兼総裁に中国朝鮮族のパク・チョルスを選出した。朝鮮アジア太平洋平和委員会は統一戦線事業部の傘下機関。金養建は最高権力機関である国防委員会の参事も兼任している。
理事会は国防委員会、内閣、財政省、関係部署、平和委員会などの代表7人で構成。会議では、金正日が国防委員長名義で同グループの活動に「お墨付き」を与える「命令」が伝達された。
また委員会名義の「決定」として「国家開発銀行」と投資グループ調整委員会の設立が理事会に指示された。理事会では銀行設立準備委員会を発足することが決められた。
投資グループは「対外経済協力機関として国家開発銀行に対する投資誘致および資金源泉を保証する経済連合体」の活動をし、本部を平壌に置くという。
また国家開発銀行は「国際金融機構、国際産業銀行などと取引のできる現代的な金融規範と体系を備えて、国家政策に基づく重要対象(プロジェクト)に対する投資業務」を行うという。
北はすでに06年、香港に大豊国際投資グループを設立している。