~漁火と鉱炉が街を照らす~浦項市特集②

東海岸に沸騰するメルティングスポット
日付: 2010年01月27日 00時00分

◆虎尾岬

 韓半島の形は、頭を北、尻を南に向けた虎に形象化される。

 浦項は虎の尾の位置になる。虎尾岬は、文字どおり海に突き出す虎の尾の形に似ている。
 虎尾岬には「相生の手」という一対の像がある。一つは海側、もう一つは陸側を向いている。像は「お互いに利益を得て発展しよう」という意味を持っている。毎年元日には人々が、初日の出を見に集まっ
てくる。

◆九龍浦日本人家屋通り

 100年前に韓国に住んでいた日本人の痕跡を感じられる場所。九龍浦の高台は、旧日本人街と海が一望できる絶景スポットだ。
 感嘆詞が自然と口をつく。

 植民地時代に日本人漁夫らが作ったこの村に残っている日本家屋は47軒。

 浦項市はここを修復・整備して新名所にしようと作業を進めている。

◆クァメギ

 暖流と寒流がぶつかり、東海(日本海)でも潮の流れが強いことで有名な浦項海。澄んだ海からとれるニシンやサンマを冬の潮風に当て、冷凍と解凍を繰り返すことで作られる干物だ。
 冬の浦項を代表する特産物は、すでに全国どこでも味わえる食材になった。

◆ズワイガニ

  水深200~400メートル海域でとれる。
 浦項沖は海水が澄んでおり、特にこの海域でとれたズワイガニは「ヨンドク大蟹」と呼ばれ、ズワイガニの代名詞になっている。
 特有の香りと強い歯ごたえが特徴で、年間出荷量は1522トン。全国で水揚げされるズワイガニの実に53%が浦項産なのだ。

李大統領の故郷の家

 大阪生まれの李明博大統領が5歳の時に帰国して定着したのが浦項だった。韓国の現職大統領の故郷の村は、今も昔も市内からもっとも離れた山間にある。

 自動車1台がようやく通れるほどの狭い道を、ひたすら進んでいくと故郷の村にたどり着く。当時の自宅には今、李大統領の親戚が住んでいる。

 幼少期から大統領になるまでの写真を見られるようになっている。

延烏郎と細烏女の神話

 虎尾岬に行った際には、岩に乗って日本に渡ったという新羅時代の人物、延烏郎と細烏女の像を見ることをおすすめする。

 新羅第8代王、阿達羅の時代、東海岸に住んでいた延烏郎(ヨンオラン)と細烏女(セオニョ)の夫婦が浦項から岩に乗って海を渡り、日本に行った。二人が浦項を去ると、太陽と月が消えてしまった。細烏女が、自身が編んだ絹織物を持って祭祀を行うと、太陽と月が再び顔を出したという神話が残っている。

 『三国遺事』に登場するこの神話は、韓国で唯一、太陽と月に関わるものだ。二人は日本に渡って王と王妃になったとも伝えられている。
 阿達羅王の在位は西暦150年から180年ごろといわれているから、浦項と日本の関係は、当時から盛んであったことがうかがえる。

 


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