由北韓放送
北韓の新年共同社説に変化があると大騒ぎだ。それで読んでみた北側の新年辞は、金正日の高慢と労働党の悪賢さが随所で見られる。特に、「軽工業と農業に拍車を掛けて、人民生活において決定的転換を成し遂げよう」という新年辞のタイトルや核心主張は、もはや騙されない北韓住民に対する詐欺を、韓国や国際社会にまで拡大することで不良国家のイメージを脱ごうとする狡猾性を含んでいる。[北韓民主化委員会副委員長許光一]
今年早く来た厳寒と大雪のため、田畑の穀物などを雪の中で諦めねばならなかった農民たちの悲痛な心と、「通貨改革」が齎した全住民の不満をなだめるため人民生活においての転換云々に触れただけなのに、金正日が直にも人民のための、人民の政治を考えているかのように(韓国言論らが)大げさに騒いでいる。これこそ金正日が望むところではないか。[北韓民主化委員会女性部長金・ヨンスン]
今年の「新年辞」の核心という人民生活の部分を見ると、高が「革命的大高潮の火を高々と人民生活の向上で決定的な転換を齎すための一大攻勢を展開すること、これが...父の首領様の遺訓を貫き、人民の千万の理想の花を咲かせるためのわが党の偉業の正当性を誇示する重要な政治的事業だ」という空威張りの真似だ。人民の生活を向上させることが金日成の遺訓でなく、人民の幸福のための地上の楽園を設けるのが労働党の目標でなくて300万人以上の餓死者を出し、死を覚悟した脱北者の行列が続いているのか。[脱北女性人権連帯代表カン・スジン]
「農業部門においては、党の種子革命の方針、二毛作方針、ジャガイモ農業革命の方針と豆農作業の方針をはじめとする党の農業革命方針を高らかに具現し、農業生産を画期的に増やさねばならない。主体農法の要求を徹底的に守り、有機農法をはじめとする新しい営農方法と営農技術を積極的に受容れねばならない。主体的な育種体系を立て、実利主義の原則が具現された現代的な畜産、養魚、果物生産基地などが現実で大きな結果が現れるようにせねばならない」(新年辞の一部)とも喋っている。ジャガイモ農業と豆農作業に対する党の方針を具現し、ジャガイモと豆の生産を画期的に増やせば、北韓住民がご飯は食べず豆やジャガイモばかり食べる獣なのか? 傲慢の極致であり、民を虫けらと看做す独裁者の横暴だ。ジャガイモは金正日、お前が食え。[統一を準備する脱北者協会代表金・ポンチャン]
さらに困るのは、「6.15に基づいて南北関係改善しよう」という金正日の対南戦略に、韓国の言論が踊らされることだ。労働新聞が新年辞を通じて「南北共同宣言の旗標の下、全民族が団結し、祖国統一を一日も早く実現しよう!」と主張したが、これが何の「対話で平和(を)構築」(KBS)しようという声で、「南北関係の改善を言及」(天地日報)したことなのか理解し難い。「南を誹謗せず対話を強調」したとの経済新聞や、「南北の関係改善(の)信号」と言ったSBSの報道などを見れば、金正日が発信した労働新聞の社説によってこちら南韓でまた理念闘争が繰広げられるのではないかと思われる。金正日の思いを代弁する韓国言論の行態が怪しいだけだ。[脱北芸術家総連合会代表金・ヨンナム]
米軍さえなければ韓半島の赤化統一は問題でもないというのが労働党の対南戦略の核心ではないか。それで出たのが「米朝間の平和体制を作り、韓半島の非核化を実現しようということ」なのに、アメリカのCNNやAP、ニューヨークタイムズまでが金正日の餌に食付いた。北韓が新年辞の中でアメリカに対する露骨な非難を自制したのは、国際社会へのもう一度の欺瞞術策であるだけで、対米敵対視政策の修正や放棄ではないことを明確に知らねばならない。[成功的な統一を作っていく人々の代表・金・ヨンイル] freenk.