愛するロバート・パクのため

彼は見棄てられた北韓の人々のため、彼の命を交換できるならそうしようとしました。
日付: 2009年12月28日 17時13分

金美英(前韓東大学教授)
今アメリカの東部時間は夕方の7時です。Eメールを送るため宿所の近くのカフェに来て、後輩から緊急の知らせを聞きました。ロバートが北韓に入ったという消息でした。3日ぶりにインターネットにアクセスしたため当然初耳でした。
 
ニュースを検索して確認し、ロバートの写真を見ました。写真を見ると涙があふれます。去る10月、アメリカに来る直前、知人から「ロバートが北韓の人々のため死ぬつもりのようだ」という話を聞きました。食べず寝ず、泣き叫びながら祈っているということでした。
 
この青年を初めて見たのは去る114日、北韓の人々のための世界悔悟祈祷の日でした。 600人余りの人々が集まって、北韓の人々のため断食しながら一緒に祈る所で見ました。この青年は床にべたりと伏して祈りました。彼の祈りはあまりにも哀痛で、からだがよじれ内蔵が全部噴き出そうでした。熱情的かつ切実でした。ロバートの祈りを見て私は恥入りました。彼は見棄てられた北韓の人々のため、彼の命と交換できるならそうしようとしました。彼の北韓の人々に対するその熱い情熱と愛はどこからきたものでしょうか?
 
われわれは多くの保護膜の中で生きています。われわれの権利を護ってくれる憲法、刑法、民法、国際法、人権に関する章典、国家人権委員会や様々な民官の機構、言論、宗教、家族と知り合い、インターネット…列挙すれば数えられないほど多くの機構や人々によって、われわれは完全ではないけれども安全なところで生きています。
 
北韓の人々にはこのすべてがありません。最小限に残った家族さえも、激甚な貧困の中で解体され、欠落してしまいました。われわれが想像出来得る範囲内で最も凄惨な状況に置かれている北韓の人々には、誰がそばにいますか?
 
もしかしたら、ロバートが彼らのそばへ行くと決断したのはちょっと可笑しなことです。彼はわれわれが持っているその多くの保護装置はもちろん、アメリカ市民権も持った人ではありませんか? アメリカの前職大統領が、二人のアジア系の米国人のため平壌まで飛んで行った事件を、われわれは今年見ました。
 
私はこの不思議な青年の方です。彼が北韓へ持って行ったものが、まさに神様の心であることが分かるからです。天上の星を友人とすることはできても、地上の友人を持つのは大変な部類の人々がいますよね。ロバートは、世の中のすべての人々が後ろ指を差しても、あの天上の世界、光と愛だけがある世界を持っているのが分かります。天上の良い友人、ロバート。それで一言の対話も交わしませんでしたが、彼を愛するのです。
 
彼は3年前からこの地であまりにも泣きました。彼の涙を多くの人々が見ました。光化門で、鍾路で、彼に会った多くの人々が、彼がどんな気持ちをもって川を渡ったのかの証言者になると信じます。彼に会った多くの人々が、彼が命を捧げて神様を愛し、隣人である北韓の人々を愛して、クリスチャンとして二つの偉大な戒律をつくす人であることを証言するはずです。私もその多くの証言者の一人です。
 
「お父さん南朝鮮へばかりいらっしゃらず、共和国のこの燿徳にもいらして下さい」と祈った燿徳ストーリーの祈りが応答されて、政治犯収容所が解体され、北韓の地にも生命と平和、喜びと自由が宣言されることを願い祈ります。その意味でも、もしかしたらロバートの渡河は、真に偉大なことになると信じます。
 
金美英(韓国戦争拉北事件資料院研究室長、前韓東大学教授)
 
www.chogabje.com 2009-12-28 11:43

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