趙甲済
ワシントン・ポストは昨日(11月13日)、パキスタンの原爆開発の父と言われるA.Qカーン博士の自述書を入手して公開した。衝撃的なことは、鄧小平が指導した中国政府が1982年に、パキスタンに50kgの武器級のウラニウムと核爆弾の設計図を提供したという自白だ。毛沢東とパキスタン大統領のアリ・ブトは1976年、共同の敵であるインドに対抗するため「核の協力」を約束したという。カーン博士は、中国にウラニウム濃縮技術を渡し、1982年に中国政府が鄧小平の許諾を得てパキスタンへウラニウム50kgを提供して、パキスタンはこのウラニウムで核爆弾二発を作ったという。
中国がパキスタンに提供した核爆弾の設計図はイランとリビアにも渡った。アメリカの情報機関は早くからこういう事実を知って中国を追及したが中国は認めなかった。
今年の初め、アメリカの核爆弾設計者であるデニ・スチルマンとトーマス・リードは、「核特急」(Nuclear Express)という著書の中で、1980年代に中国の指導部がパキスタン・北韓・イランなどの核武器開発を支援する戦略的選択をしたと主張した。
このような中国が北韓に原爆を放棄せよという圧力を加えられないということだ。スチルマンは、10年間も中国の核施設を視察してからこの本を書いたが、その後の新しい情報によって事実であることが裏付けられている。
数日前、NHKは2002年9月17日の「小泉-金正日会談録」を入手して公開したが、金正日は「中国やロシアも、北韓の核武器保有に同意している」と話したという。
それでは北韓の核武装の共犯である中国が、「北核問題」の解決のための「6者協議」を主導しているわけだ。これは病気を与えてから薬をやるようなことだ。国際社会に対する詐欺だ。