全羅北道特集②~生きている博物館 「全州韓屋村」

日付: 2009年11月11日 00時00分

 全州韓屋村は「生きている博物館」とも呼ばれる。「千年古都」朝鮮王朝の発祥地である全州の中心地にある。韓国で唯一、都市の中心に位置する伝統韓屋の集落で、家屋の数は700軒以上になる。実際に多くの住民が暮らしており、各種の伝統文化施設もこの区画に多い。

 全州韓屋村とその周辺には、朝鮮時代の太祖李成桂の肖像画が保管されている慶基殿、壬辰倭乱(朝鮮出兵)時に朝鮮の歴史書を守ってきた全州史庫を始め、梧木台、豊南門、全州郷校、養士斎、寒碧堂、学忍堂、全州崔氏宗家、殿洞聖堂、東学農民革命記念館などの重要文化財や文化施設が散在している。

 百済から高麗・朝鮮時代、近代まで、歴史的事件の舞台になってきた建築物が残っているのは、全州ならではといっていい。同じく古都と呼ばれる慶州や扶余との最大の違いでもある。
 全州韓屋村内の伝統文化施設を見るには、路地裏を歩きまわらなければ
韓紙工芸体験
ならない。

 1000年もつと言われる全州韓紙を生産する全州伝統韓紙院では、韓紙の80%以上を日本に輸出している。全州工芸名人館では韓紙を使った工芸品の製作体験もできる。実際に韓紙を使って作品を作ってみると、破れにくい韓紙の丈夫さがわかる。
 全州伝統酒博物館は、伝統酒作りについて物語に沿う形式で多様な遺物を展示している。韓国の伝統酒の歴史と製法が簡単に理解できるようになっている。

 雅世軒では伝統音楽を体験できる。驚くべきことに、伝統芸能の体験施設の中には、宿泊できるものが9カ所ある。
 雅世軒はL字型の別棟と母屋に分かれており、宿泊できる部屋の中には現代的なユニットバスが設置されている。

 韓屋村の道路や小川をよく見ると、現代風に修理されている部分がある。小川の脇にある休憩所や小さな池、水車も伝統の趣を残しつつ、現代風になっている。歩き疲れたら喫茶店で一服。リフレッシュするには最適の場所だ。


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