政府は「南・北韓非核化宣言」の失効を確認せよ!

二日前、北韓側が安保理議長に送った手紙は、南北韓共同宣言が禁止した核再処理施設とウラニウム濃縮施設を自分たちが自ら違反して保有したと自白した文書だ。
日付: 2009年09月07日 16時30分

趙甲済
国連駐在北側代表は、国連安保理議長に送った93日の手紙で、「廃燃料棒の再処理が、最終段階を迎えて抽出されたプルトニウムが武器化されており、ウラニウム濃縮試験が成功的に進められて完成段階に入った」と表明した、と平壌の朝鮮中央通信が94日伝えた。
 
一方、19922月に発効された「南・北韓非核化共同宣言」にはこう書かれている。
<1.南と北は、核武器器の試験、製造、生産、接収、保有、貯蔵、配備、使用をしない。
2.南と北は、核エネルギーを専ら平和的目的にだけ利用する。
3.南と北は、核再処理施設とウラニウム濃縮施設を保有しない。>
 
2006109日、北側が核実験をやったのはこの「共同宣言」違反だった。二日前、北側が送った安保理議長宛の手紙は、「南北韓共同宣言」が禁止した核再処理施設とウラニウム濃縮施設条項を自分たちが自ら違反したと自白した文書だ。
 
この「南北韓非核化共同宣言」は失効したわけだ。にも拘らず、李明博政府が「失効宣言」をしないのはおかしい。夫が離婚し、別の女と一緒に暮らして子供まで産んだのに、(前の)妻が「離婚」の事実を認めないのと同じだ。こういう前妻を夫はどう見るだろうか?
 
金正日-金大中が合意した「6.15宣言」や金正日-盧武鉉が合意した「10.4宣言」も、北側の非核化を前提とした「合意」だから、他の多くの理由とともに失効したと見なければならない。「10.4宣言」の、<南と北は、韓半島核問題解決のため6者会談の「9.19共同声明」と「2.13合意」が順調に履行されるよう共に努力することにした>という条項も北側政権によって徹底的に無視された。
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南北共同宣言文(全文)
祖国の平和的統一を念願する全民族の崇高な意に従い、大韓民国の金大中大統領と「朝鮮民主主義人民共和国」の金正日国防委員長は、2000613日から615日まで平壌で歴史的な対面を行い、頂上会談を開いた。
 
南北の頂上らは、分断歴史上初めて開かれた今度の対面と会談が、互いの理解を増進させて南北関係を発展させ、平和統一を実現するのに重大な意義を持つと評価し、次の通り宣言する。
 
南と北は、国の統一問題を、その主人であるわが民族同士で互いに力を合わせて自主的に解決していくことにした。
南と北は、国の統一のための南側の「連合制」案と北側の「低い段階の連邦制」案が互いに共通性があると認め、今後この方向で統一を指向していくことにした。
南と北は、今年の「8.15」に際して、散らされた家族・親戚訪問団を交換し、「非転向長期囚」問題を解決するなど、人道的問題を早く解決していくことにした。
南と北は、経済協力を通じて民族経済を均衡的に発展させ、社会・文化・体育・保健・環境など諸般分野の協力と交流を活性化して互いの信頼を固めていくことにした。
南と北は、以上の合意事項を早く実践するため、早い時期に当局間対話を開催することにした。
金大中大統領は、金正日国防委員長がソウルを訪問するよう丁重に招請し、金正日国防委員長は今後適切な時期にソウルを訪問することにした。
 
2000615日、大韓民国大統領金大中、朝鮮民主主義人民共和国国防委員長金正日
 
<南北韓間の非核化共同宣言」の背景(国家記録院)
 
1990年代に入り、北韓は盧泰愚政府の北方政策やUNへの同時加入推進など、わが政府の積極的な南北対話推進に応じざるを得ない状況に置かれた。1991年、北韓は既往の「一つの朝鮮原則」と「統一前のUN加入不可」などの立場を変えてUNに加入する一方、「5次南北高位級会談」で、わが政府が主導した「南・北韓間の和解と不可侵・交流協力に関する合意書」に同意することになった。ところが、こういう動きと別に、北韓は寧辺などで核再処理施設をひそかに稼動し、国際社会が求める国際原子力機構との「核安全協定」や核査察を遅延させてきた。これで、わが政府は、米国など主要国家との緊密な協議の下、北韓の核武器開発の試みを封鎖し、北韓が「核拡散禁止条約」の会員国としての義務を遂行させるため、「韓半島非核化宣言」(1991.11.8)と「韓半島核不在宣言」(1991.12.18)を発表した。合わせて、韓国政府はこのような北韓の核(武器)開発努力を阻止するための仕上げの措置として北韓に要求して、19911231日、「南北韓間の韓半島非核化に対する共同宣言」を採択させた。
 
非核化共同宣言の内容
南・北韓は、199112月、韓半島の核問題を協議するための三回の「南北高位級会談」を開き、「韓半島の非核化を通じて核戦争の危険を除去し、祖国の平和と平和統一に有利な条件と環境を作ろう」という共通の趣旨で、「韓半島の非核化に関する共同宣言」に合意した。前文と6項目からなる「非核化共同宣言」は、19911231日採択された後、1992219日の「第6次高位級会談(平壌)」で、「南北基本合意書」と共に発効された。
大韓民国の鄭元植国務総理と北朝鮮の延亨黙国務院総理が署名したこの共同宣言の全文は次の通りだ。
 
南と北は、韓半島を非核化することによって核戦争の危険を除去し、わが国の平和と平和統一に有利な条件と環境を作り、アジアと世界の安全に寄与するため次のように宣言する。
 
1.南と北は、核兵器の試験、製造、生産、接収、保有、貯蔵、配備、使用をしない。
2.南と北は、核エネルギーを専ら平和的目的にだけ利用する。
3.南と北は、核再処理施設とウラニウム濃縮施設を保有しない。
4.南と北は、韓半島の非核化を検証するため、相手側が選定して双方が合意する対象らに対して、「南北核統制共同委員会」が規定する手続きと方法で査察を実施する。
5.南と北は、この共同宣言の履行のため共同宣言が発効された後1ヶ月以内に「南北核統制共同委員会」を構成し運営する。
6.この共同宣言は、南と北がそれぞれ発効に必要な手続きを経て、その本文を交換した日から効力が発生する。
 
この「共同宣言」は、尖鋭で本質的な懸案である韓半島の核問題に対して、南・北韓の当事者がこれを解決するための合意文を採択した意義と同時に、「南・北韓間の和解と不可侵・交流協力に関する合意書」と共に、統一へと進む重要な二つの柱を建てたことになったのを意味する。この宣言は、北韓がそこまで主張してきた「韓半島非核地帯化」の内容中、駐韓米軍の撤収、アメリカの韓国に対する核傘の除去、周辺国による保障など、争点部分を排除することで、事実上北韓の「非核地帯化」の方案を撤回させたものであり、「非核化の検証」のための相互同時査察など合意事項の具体的実行措置を、「南北核統制共同委員会」が協議するようにしており、国際原子力機構との核安全協定の署名と国際核査察を受容れるようにした契機になった。
 
(*もちろん、金正日は当初からこの全てを守る気など無かった)
 

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