海洋と大陸の文明をつなぐ韓日新時代

国際関係振り返り 韓日の連携強化を
日付: 2009年08月15日 00時00分

8月15日。64年前、日本の無条件降伏という厳然たる事態によって第2次大戦は終結した。韓半島は主権を回復し、民族国家再建の途についた。3年後の南北政府の樹立は1民族2国家の分立という不便をともなったが、韓国は開放された民主主義と自由の体制を育てる道を選択し、大韓民国を建国した。解放記念日と政府樹立のエポックに誰もが韓半島をめぐる国際関係を振り返る。

半島国家と海洋国家

 海洋から目を向ければ、韓国と日本は太平洋の半島国家と島国家である。大陸から目を向けるなら韓半島は海に突き出た大陸の一端であり、日本はその先に弧を描く列島である。そして韓半島は海陸双方に根を張る半海洋国であり半大陸国である。韓半島と日本列島は豊かな温帯に属し、海洋勢力と大陸勢力を背景に負い、その均衡を操りながら古より文明を共有し栄えてきた。韓半島と日本列島は海洋と大陸をつなぐ文明のルートであり、文明の混交培養地である。
 島国国家は発展するといわれている。グレートブリテン島のイギリスしかり、南北主要2島を持つニュージーランドしかり、インドネシアそして日本列島も。外敵が攻めても島国国家に入れば外敵を取り込み、同化してきたといわれている。
 しかし、半島国家は大陸の影響を直接受け、歴史上の国家は時に滅亡した。ギリシャしかり、イタリアしかり。韓半島も常に中国大陸、シベリア大陸からの影響を受け続けた。韓半島と日本列島の間には19世紀末から20世紀前半に逆方向の力が働いたが、文化・文明を蓄えた韓半島は支配長期化の危機を脱した。日本には直接支配の過ちと教訓が残された。20世紀後半から半島国家と島国国家が平和共存と共通の繁栄を追求する時代に立ち返った。

文明の波と個人が原点の社会

 アルビン・トフラーは1980年、新たな社会の到来を文明の波という言葉で表した。技術や産業エネルギーの衝撃がもたらす第1の波は農耕を中心とする文明だった。第2の波は産業革命で工業化された文明だと言い、多くの国が第2の波から脱工業化・情報通信革命の「第3の波」に乗り換えつつあるとトフラーは見通した。この情報化社会で個人は電子機器とネットワークという「畑」で「情報農産物」を生産し、流通させている。「第3の波」のなかで社会の自由性が高まり、集団組織型社会から個人結合型の社会へ進化が進んでいる。
 「情報化はひとつのプロセスで波というほどのインパクトはない」と評する見解もあるが、韓半島北部、北朝鮮もこの波に入りつつある。これから社会がこの波にぶつかるだろう。さらに第4の「宗教の波」、第5の「有機化の波」が打ち寄せているといわれる。個を原点とする社会のあり方がますます問われている。
 経済発展にともない人類社会は民主主義化、自由化、開放化を実現した。自由と民主主義、市場経済という人類の普遍的価値は不変である。海洋と大陸の文明を結ぶ韓国と日本はこの普遍的価値を共有している。これからの世界で両国の役割は大きい。
 昨年の金融危機で「規制のない市場経済はない」と専門家が指摘した。市場が危機に陥ったとき金融分野で銀行の一時的「国有化」措置が採られた。市場のみならず、安全保障、食糧やエネルギー、自然災害に対する危機管理をおこなう中枢の機能を明らかにすることや市場経済下の「平等原則」を貫徹させる機能も不可欠であることはいうまでもない。自由民主主義体制の下にこうした危機管理や平等原則を維持する構造が組み込まれ、自由民主主義体制は「高度化」していくだろう。

北朝鮮核の完全廃棄を

 韓半島南北両地域の融合と2国家の平和統一は21世紀を進む上での前提的条件だ。本紙は人類社会の普遍的価値に立脚する祖国統一を推進する。その平和統一達成を前にいま、北朝鮮核という最大難関に国際社会が取り組んでいる。
 北の核問題は金日成―金正日体制を北朝鮮の一般人民と韓国がどのように克服するのかという問題だ。この問題に米国の関与はなくてはならない。
 米国は、19世紀後半から20世紀初頭にかけ太平洋の彼方からアジア侵略に加担した。米市民らが韓半島の独立維持に支援の肩を寄せた一方、1905年の桂・タフト秘密協定にみるように米政府は日本の韓半島支配に妥協し自らの権益確保を図った。しかし、多大な犠牲を払いながら日本のアジア侵略を解体させ、第二次大戦直後の韓国戦争では北朝鮮の武力侵攻を粉砕して韓国を守った恩人であり、韓国の不可欠な同盟国である。
 米国の外交戦略は北の核の拡散を防ぐことに置かれているようであるが、韓国と日本にとっては北の核保有自体をストップさせ、廃棄させることが至上命題だ。韓米日同盟をいかに強化するかはこの問題の解決いかんにかかっている。米国は北による核拡散を防止すれば我慢できるかも知れないが、韓日にとって核の存在は直接、死活問題である。北の核廃棄に韓日は緊密に連携して取り組まねばならない。


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