金東吉(フリーダム・ウォッチ)
病床に就き、すでに幾日、「生」と「死」の境目を行き来する金大中元大統領は、この頃セブランス病院の特別入院室へ自分を見舞いに訪ねる人々が誰なのかが知らずにいる可能性が多いです。前・現職の大統領たちがみな来たのに、盧泰愚元大統領の姿だけが見えないのは「遺憾」ですが、彼自身の病状も悪化して外出が難しいと聞きました。万一、盧武鉉前大統領も自殺せず生きていたら、恐らく権魯甲や朴智元氏と一緒に毎晩その病室を見守っていたはずです。
政界の人々、財界の人々が列を並んで彼の病室を訪ねる理由を私はちょっと理解し難いです。外国から来た大使たちの訪問も見られるといいますが、これはいったいどうなったことでしょうか。患者自身は昏睡状態だというのに、誰に会うためこの多くの指導級人士らがセブランス病院を訪ねますか。李姫鎬女史を慰めるためですか。それとも、数百万の「湖南人」に、「私も見舞いに行きます」と一言言わねばならないからですか。
私に国民の代わりに一言いう資格はありませんが、率直に私自身の心境は非常に複雑です。李明博大統領が言った通り、「金大中元大統領が偉大な指導者だった」なら、全力で政権を交替せねばならないと信じて、水火も厭わなかった1140万余の有権者は、やらなくても良かったことをやったのですか。盧武鉉前大統領の自殺で起きたその混乱を、もう一度経験したいのですか。哲学も理性も、常識すらない韓国政治-よし、覚えて置け。