林東源は大韓民国の国民なのか?

金正日政権式用語を駆使して愛国人士たちを「守旧冷戦勢力」と罵った人が国家情報院長だった。
日付: 2009年06月11日 21時30分

 
趙甲済
太陽政策の核心執行者の一人で、対北不法送金事件にも一定の責任がある林東源元国家情報院長が、「ピース・メーカー」という回顧録を書いた。中央booksから出たこの本の474ページにはこのような件がある。
<(2000年) 「8.15離散家族交換訪問」後の9月初、わが政府は和解の象徴として北韓へ帰ることを望む「非転向長期囚」の63人全員を、板門店を通って無条件送還した。分断の被害者たちの人権を尊重するというわが政府の成熟した姿勢を誇示したものだ。
当然、冷戦守旧勢力の送還反対と妨害が激甚だったが、彼らは「価値観の混乱の憂慮」、「北側の体制宣伝に利用される憂慮」などを挙げながら、「脱北者および国軍捕虜問題と連係させねばならない」という論理で送還反対の世論を作った。7年前、李仁模老人をはじめとする非転向長期囚送還を反対する時持ち出した論理をそっくり繰り返していたのだ。>
 
林氏の用語選択に問題がある。63人は非転向長期囚でもあったが、北韓政権のため服務したスパイやパルチザンなどだった。良心犯ではなかった。「和解の象徴」という言葉も正しくない。スパイとパルチザンから被害を蒙ったのは韓国と国民だ。加害者は、彼らと北韓政権だ。和解は、加害者が謝ることで始まる。被害者が加害者にサービスするのは和解でなく屈従だ。「和解の象徴」でなく、「屈従の象徴」という言葉が正確だろう。
 
金大中政府が分断の被害者たちの人権を尊重するなら、分断の被害者らが誰なのかを定義する必要がある。林氏は、スパイ行為やパルチザン行為をして祖国を転覆し、赤化革命をしようとした反逆者らを「分断の被害者」と看做している。これは北韓政権や南韓の左翼らの見方と似ている。正常な国民の中、スパイとパルチザンらを「分断の被害者」と看做す人はいないはずだ。
 

健全な国民は、「6.25事変」の拉北者たち、休戦以後の北へ拉致された漁夫たち、戻ってこない国軍捕虜らを北韓政権による被害者と見る。林氏は、この被害者たちの人権を考える人々を「冷戦守旧勢力」と呼んだ。彼は、スパイとパルチザンを北へ送還するなら、国軍捕虜も送還されるべきだという当然の主張を言った国民を、「冷戦守旧勢力」と呼んだ。こういう用語の使用は、北韓政権や南韓左翼と一致する。こういう用語を駆使する人物は、韓国に住んでいても金正日に魂を売った人ではないかと疑う権限がある。特に、彼が国家情報院長だったら!

一方、北へ拉致された人や国軍捕虜など自国民の人権を無視し、主敵の部下らの人権ばかりを気遣う行為を、林氏は「人権を尊重する政府の成熟した姿勢」と定義した。金正日の側に立った人でなければできない話だ。
 
林東源氏が、「冷戦守旧勢力」と表現した国民は、自由と憲法を大切に思う愛国者たちだ。林氏は、この愛国者らに対し冷笑的な、非常に感情的表現を使った。「挙げながら」、「妨害が激甚」、「そっくり繰返し」という言葉だ。特に「挙げながら」という単語は、皮肉る時用いる言葉だ。北韓が不法に抑留している国軍捕虜らを帰せと要求する愛国者らを皮肉る人が、体制守護機関の責任者だった! 左翼らが使う言葉で愛国者を非難する人が、対共情報捜査機関である国家情報院の院長だった。
 
林氏が国軍捕虜送還を要求した愛国者を皮肉るなら、最小限、北韓から国軍捕虜を一人でも取り戻すべきだった。金大中政府と林東源氏は、金正日に国軍捕虜を帰せという話そのものを出せなかった。
 
金大中政府が北へ送還した63人中には、日本人を拉致した辛光洙という大物工作員もいた。日本政府は、2002年にその2年前北へ送還された辛光洙をインターポールを通じて国際手配した。辛光洙は日本人を拉致した犯人であることが明らかになった唯一の場合だ。辛光洙は、安全企画部の調査で、金正日から直接拉致指令を受けたと自白した。したがって、金大中政府が辛光洙を日本で渡さず、金正日の胸に送ったことは、結果的に金正日の犯行物証を隠滅したわけだ。金大中、林東源氏が良心があれば、拉致犯の辛光洙を送りながら拉致された日本人を帰してもらうか生死でも確認を求めるべきだった。これは人間の基本的倫理ではないか?
 
林東源氏の論法によると、拉致された人を無視し、その拉致犯を帰した行為が「人権を尊重する成熟した姿勢の誇示」となる。彼は、金正日を喜ばせ、愛国者の胸に血涙を流すようにした行為を「人権尊重」、「成熟した姿勢」と美化する人だ。
 
林東源氏が国家情報院長の時期だった2000年6月、国家情報院の某職員は、上部の命令により金正日の海外秘密資金口座へ巨額の不法資金を送った。スパイを捕える機関を、スパイのための奉仕機関に転落させた林東源氏は、昨年までも世宗研究所を運営する世宗財団の理事長だった。
 
林東源氏は、国家情報院の不法盗聴事件に連累して拘束起訴され、控訴審で執行猶予を宣告された人だ。彼は、2007年の年末、大法院に上告してから突然上告を取り下げ、四日後、盧武鉉当時大統領によって赦免復権された。
 
反憲法的対北政策の責任者である金大中、林東源氏の行跡に対して、国家的次元の調査が必ず必要だという確信をくれたのが林氏の回顧録だ。この回顧録は、「ロウソク乱動」が猛威を振るった昨年の6月に出版された。右派政権が出帆した後出した本の中で、右派、即ち大韓民国の憲法守護勢力を「冷戦守旧勢力」と呼ぶくらいなら、林氏は頼りの所があるか、韓国の右派を本当に見くびるようだ。果たしてそうだろうか?
 
www.chogabje.com 2009-06-11 11:08

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