趙甲済
金正日政権が、盧武鉉前大統領の死で沈痛な雰囲気の韓国を狙って地下核実験を敢行した。これは南・北韓の左翼らが李明博政府を内外から圧迫せよとの信号弾と見られる。
金正日政権は、5月25日の午前、「もう一度の地下核実験を成果的に進行した」と発表した。
今日の核実験で感知された人工地震の規模は、2006年10月9日の第1次核実験当時のリヒター地震計規模3.6より強い4.5内外であると把握された。1次核実験は、爆発力がTNTに換算して1000tにも達しなかった。専門家たちは、北韓政権が核兵器を作る水準に到達していないという評価を下したりした。今回の爆発力が1万tに肉迫したら、北韓政権は核爆弾を保有したと公認されることになる。
北韓政権が核兵器を保有した集団になった時、韓国と友好国が取るべき対策は簡単だ。韓米同盟を強化し、米国からの「核の傘」をもっと確実に提供して貰わねばならず、韓米連合司令部の解体計画は中断すべきで、国際社会が、金正日体制が核開発を放棄せざるを得ないように圧力を掛けねばならない。国連などがそのように動くよう韓・日・米が努力しなければならない。
政府の外に、民間や政治部門で「我々も自衛的核武装をすべきだ」という話を公開的にしなければならない。「主敵」が核武装をしたのに、「対応核武装」の主張が公論化しない国は、地球上で韓国のみだ。奴隷根性や事大主義の捕虜になった国や民族ではない限り、こうするはずがない。
国防部と合同参謀本部は、午前10時30分、金相基国防政策室長主管の危機管理班と章光一作戦本部長主管の緊急措置組を各々招集した。引き続き、全軍に警戒態勢強化を指示するなど西海の北方限界線(NLL)と軍事分界線(MDL)などの接敵地域での挑発可能性に備えた。
李相憙国防部長官は、北側の核実験情報(兆候)捕捉事実を参謀から報告を受けた後、現在の危機状況を評価する一方、対応戦略を用意するように指示したと朝鮮ドットコムは伝えた。
金泰栄合同参謀議長も各本部長らを緊急招集して対応方向を論議中だ。
軍は、核実験による放射能被害の防止のため、放射能落塵危険地域を分析し、国家放射能監視所と情報を共有して、リアルタイムの警報伝播体制を維持しているという。
李長官は、北側の核実験敢行可能性が高いと判断されて、当初26日から3日間の予定だった中国訪問日程を縮小して、5月26日中国を訪問し、韓中国防長官会談を行った後、同日帰国する予定だと朝鮮ドットコムは報道した。
北韓の核実験は、中国に大きな負担になるだろう。今まで中国政府は、「北韓の核開発レベルは非常に低い。過剰反応をする必要がない」という姿勢だった。第2次核実験は、中国の体面を損傷させるものだ。国連安保理が北韓政権に対する制裁を決議する時、中国が拒否権を行使し難くなった。
金正日の核実験は、内部の脆弱性のためだ。昨年、金正日が脳卒中に遭った後、北韓政権がやることは何か苛立ち、不安だ。戦略・戦術もなく支離滅裂だ。ミサイルを発射してもアメリカが対話を提案しないからまた核実験をやった恰好だが、自ら退路を遮断している。
南・北韓の左翼らの共通点は、自らの首を絞める手法と自滅だ。傲慢なことこの上ないこの者らは、無知ながら知っているふりをしては、反省も修正もなしで死ぬ道を疾走する。
今度は国際社会が一致団結して、北韓の後見人である中国に対して、「あなた方が責任を負え。対北制裁に参加しないと、中国商品の不買運動を行う」というふうに臨まねばならない。