朴槿恵議員の虚しい「北核」関連表明

スタンフォード大学での彼女の演説には「対北圧迫」手段の提示がない。
日付: 2009年05月08日 04時46分

 

趙甲済
朴槿恵ハンナラ党国会議員は、アメリカのスタンフォード大学を訪ね、「北核」に関して下記のように演説したと報道された。
「あれこれの方法が各々一理はあるが、現在では解決方法は北韓の選択にかかっています。」
 
「北核問題」の解決方法が、北韓側の選択にかかっているとはあまりにも消極的な発想だ。「北核」の解決を北側に任せたら、どんな結果が出るだろうか? 殺人事件の捜査を殺人犯に任せることと似ている。
朴槿恵氏が出した代案は、総論だけあって各論がない。空に浮かぶ雲のように虚しく感じられる。金正日が核開発を諦めるようにする圧迫手段が提示されなかったからだ。
 
朴議員は、「常設的な東北アジアの平和協力体を作らねばならないと考えてきました。その枠組みの中で、互いに交流・協力を強化し、経済共同体を作り、安保共同体を創って行けば、北核問題のような懸案の解決に限った『消極的平和』を超え、東北アジアの平和と繁栄という『積極的平和』を作れると信じます。このような『東北アジアの平和プロセス』は、ある一つの国に有利か不利かでなく、全てに利益になる「新しい価値創出」になれると思います」と言った。
 
北核問題の解決のための「6者協議」も進展がないのに、それより遥かに大きい規模の「東北アジアの平和協力体制」をどう創れるのか? 北核問題が解決されない状態で、どういう方法で東北アジアの国々が互いに交流・協力し、経済共同体を作り、皆の利益になる価値創出ができるのか? 癌細胞をそのまま置いて無病長寿しようという話ではないか?
 
「北核」の解決が遅れるのは、北韓との合意がなかったためでない。今まで、「6者協議」は、「9.19合意」(2005年)、「2.13合意」(2007年)を作り出した。その時ごと、韓国の親北勢力は、北核問題がまもなく解決されると嘘をついてきたが、二つの合意は、北韓が約束を守らず、紙屑になってしまった。北韓が約束を守るようにするためには国際的圧力を加重させる道しかない。「東北アジアの平和協力体制」を作るとして金正日が突然正直になるのか?
 
3年分の食糧の輸入代金を以てミサイルを発射し、執権の便宜のため、平気で300万人を餓死させた金正日に、御尤もな言葉の「東北アジア平和協力体制」とは、ムチでもニンジンでもない。悪党に対する性善説は、殺人強盗に遭った人の自らの武装解除だ。
 
朴議員は、なぜ韓・米・日が共助して、金正日政権をして核とミサイルの開発による代価、そして約束を破った代価を必ず払うようにしなければならないという話をしないのか、理解し難い。なぜ、李明博政府に対し韓国が直ちにPSIに加入すべきだと主張しないのかも理解し難い。
 
朴議員は、また「北・米」という表現を使った。大韓民国の大統領になりたいという方が、反国家団体の北韓政権を同盟国の米国より優待する用語を使ってはならない。「米・北」が正しい。北韓はわが憲法上、国家でなく「集団」であるのみだ。
____________________
 
朴槿恵議員の「北核」にする立場(スタンフォード大学での演説文から)
今起きている世界的な経済危機や「北核問題」も同然です。まず、「北核問題」を見ましょう。
北韓が2006年に核実験をしてからすでに30ヶ月が過ぎました。先月は国際社会の引き止めにもかかわらず、長距離ロケットを発射し、国連安保理の議長声明が発表されるや「北核」廃棄のための「6者協議」からの脱退を宣言しました。そして暫らく前は、核施設の不能化作業を監視してきたIAEAの検証チームを追放し、廃燃料棒の再処理を始めました。北朝鮮のこのような行動は、韓半島だけの問題でありません。東北アジアの安定と世界平和に対する明白な脅威です。
 
私は韓半島に核兵器は絶対にあってはならないと思います。北韓の核は、完全に廃棄されねばならず、北韓を核保有国として認めることも決してあってはなりません。完全な「北核の廃棄」こそ、韓半島の平和体制構築の前提条件であり、世界平和の試金石になるはずです。
 
今まで「北核問題」の解決のためあらゆる政策や努力がありました。ところが、結果は成功的でありませんでした。この15年間以上、北韓の危機造成→協商と補償→再び危機の再発→協商と補償という同じパターンが繰返されてきました。
甚だしくは、協商が決裂する時は、米国は北韓が約束を守らなかったと言い、北韓は米国が約束を守らなかったと非難することまで全く同じでした。今、この悪循環の輪を絶つべきです。
 
そのためには、今まで何が問題であって、これからどうすべきかに対して総体的に点検してみなければならない時だと思います。私は米国の新政府が対北政策を樹立するのに先立ち、このような「中間評価」がどうしても必要だと思います。過去の解決策に対する功過を正確に分かってこそ、より現実的な新しい解決策が作り出せるためです。
 
去る1994年、寧辺地域の核開発による「第1次北核危機」を解決するためジュネーブ合意がありました。2003年には北韓の高濃縮ウラニウム(HEU)プログラムによる「2次北核危機」を解決するため「6者協議」が始まりました。
 
このような「合意」らは、「北核問題」の解決のための新しい枠組みとしていくつかの肯定的な効果を上げました。しかしそのような成果にもかかわらず、その以前と比較して状況はもっと悪化し、北韓の核実験までありました。北韓の対南脅迫も「ソウルを火の海にする」から「韓国を灰の山にする」というレベルに悪化しました。
 
「6者協議」が始まった以後だけでも、今まで「9.19共同声明」、「2.13合意」、そして「10.4合意」など、三度も合意がありました。その時ごと、北韓の核問題が直ぐにも解決するという希望や期待をくれましたが、そのようなバラ色の希望が続きませんでした。
 
北韓が「崖縁戦術」を使うと、状況はまた悪化し、その渦中で北側は時間を稼ぎながら核保有という目標に向かって一歩一歩進みました。今やどうすべきなのか? 率直に今の状況は見通しがききません。この悪循環の輪を平和的に断つためには、果たしてどうすべきなのか?
わが韓国の宿題であり、アメリカの宿題である同時に全世界の宿題です。皆さんの宿題であり、私の宿題でもあります。ただ、一つ確実なのは、再び過去のパターンが繰返されてはいけないということ、そして韓半島に核があってはならないということです。
 
今、これに対して色々な方案らが議論されています。北韓が6者協議に応じてくることだけを待たず、残りの「5者」が会談を開いて、5国間の異見を解消し、「北核」の廃棄を誘導できる措置を講じようという意見もあり、北韓が「北・米」間の直接対話を望むなら、北核の廃棄を前提に、「北・米間の直接対話」で突破口を開かねばならないという意見もあります。最初から徹底的に無視しようという意見もあります。
 
あれこれの方法が各々一理はありますが、現在として解決方法は北韓の選択にかかっています。過去、アメリカで与野党が合意した「フェリープロセス」を用意したように、今や米国の与野党間の合意次元を超えてより大きな次元の合意が必要です。
 
米国も参与して、中国も参与し、南・北韓やロシア、日本など関連国家が全部参与して、全参加国が合意する「東北アジアの平和政策」を作ることです。単純に北核問題の解決に限らず、私は究極的には既存の枠組みを乗り越える、より包括的な構想が必要ではないか思います。
「北韓問題」の解決、さらに東北アジアの平和次元で接近しなければなりません。東北アジアの平和体制構築のための多者安保プロセスを推進しながら、その中で「北韓問題」の解決を図ることです。
 
「北・米不可侵合意」のような協定文よりも、このように実質的な平和の環境を作ることがもっと重要であるはずです。私は、かなり以前から一時的な会談の枠組みを乗り越える、より効果的な枠組みとして、常設的な東北アジア平和協力体を作らねばならないと考えてきました。
 
その枠組みの中で互いに交流・協力を強化して経済共同体を作り、安保共同体を創って行けば、北核問題のような懸案の解決に限られた「消極的平和」を越えて、東北アジアの平和と繁栄という「積極的な平和」を作られると信じます。
このような「東北アジアの平和プロセス」は、ある一つの国に有利か不利かでなく、皆の利益になる「新しい価値の創出」になれると思います。
 
私は、ここスタンフォード大学にいらっしゃるジョージ・シュルツ元国務長官やウィリアム・ペリー元国防長官が、「核兵器のない世界」を実現するための国際的な運動を主導しておられることを知っています。そして、オバマ大統領も「核兵器のない世界」をアメリカのビジョンとして設定したと聞きました。
 
韓国は、多分そのビジョンを世界で最も強力に共有する国であるはずです。我々は、1991年から原子力の平和的利用を推進するものの、核兵器の開発と保有に反対する「非核政策」を確固として堅持してきました。私は「核兵器のない世界」のビジョンは、「韓半島の非核化の完成」から始めなければならないと思います。オバマ大統領のビジョンが、北韓から始められることを期待します。私は、我々が共に力を合わせれば、必ず成遂げられると信じます。
 
皆さん、
去る半世紀間、韓国とアメリカは共通の夢のため共に努力してきました。より自由で、より安全で、より豊かな世界、熱心に努力すれば誰でも夢が叶えられる世界を作ることが我々の共通の夢でした。その夢をかなえるためわれわれは韓国戦争で、ベトナムで共にに血を流し、イラクでも韓国軍は米軍と並んで参戦していました。
 
ところが、去る数年間、韓・米関係で多くの問題があったのが事実です。心配も多く、トラブルも多かったのです。しかし私は韓・米関係をこう思います。
「もうこれ以上言う言葉がない。自由のため共に血を流した血盟ではないか?」
 
重要なのは、この大事な血盟関係を如何にしてより発展させ、人類のための同盟に進化させるのかです。私は、今や韓・米同盟が「固定した価値を護る同盟」から、「新しい価値を創り出す同盟」になるべきだと思います。
 
「新しい価値」とは、韓国と米国だけでなく、世界が直面する変化と挑戦に「解決方案(SOLUTION)を共同で模索する同盟」を意味します。今我々は新しい挑戦に直面しています。もはや安保の概念も軍事的な安保だけでなく、経済危機、環境の汚染、政治・社会的混乱など、多様な脅威を包括しています。
 
このようなグローバル時代の安保は、一国の次元でなく世界的次元の協力を通じて護られます。したがって、韓・米両国はグローバル金融危機を克服し、北核問題と韓半島に平和体制を構築する問題、国際テロリズムと気候変化問題、貧富格差の問題のような全地球的イシューに対する解決策を見出す過程で、新しい同盟の価値を創ることができます。
 
私は、韓・米同盟が、このように「人類のための同盟」というビジョンを持ち、韓半島の政治・軍事的安定を超えて、東北アジアや世界の平和と繁栄という新しい価値を創る時、隣の国々だけでなく、全世界が支持する「魅力的同盟」になると思います。
そういう「魅力的な同盟」を、われわれが共に作っていきたいと思います。
 
www.chogabje.com 2009-05-07 16:56

閉じる