金日成の写真に落書きしたため収容所に入れられた家族たち

首領の「肖像画」を救うため自分の娘を見殺した男
日付: 2009年03月07日 02時05分

金成昱
2008年版北韓人権白書(統一研究院刊)に出る収容所や教化所に入れられるケースだ。
「人民学校2学年(9才)の幼い学生が、教科書の中の金日成親子の顔に、鉛筆で落書きをしたという罪で全家族が連行された。」
 
「2005年3月、会寧市のある企業所の警備室で火災が起きた。建物に大きな被害はなかったが、当直の警備員が、金日成首領と金正日国防委員長の肖像画を無事に待避させられなかったことが問題になった。肖像画が焼けたという理由でこの警備員は拘束された。」
 
北韓は、金日成・金正日の肖像画を大事に保管するため、命まで捨てるように強要するなどの思想教育を行う。北韓人権白書が伝える、また他のケースだ。
「漁夫の朴・ヨンドクは、西海へ漁に出たが、船が壊れて沈む運命に置かれるや、首領様の肖像画をビニール風呂敷で真心で包みまた包んでから、自分の身に重い錘を付けて水の中に飛び込んだ。(1991年刊、革命的楽観主義に対する話...金日成の肖像画を命を捧げて護った朴・ヨンドクの話)」
 
「江原道と黄海南道で、突然押し寄せた洪水のため、一面が水に浸されたが、住民たちはすべての物を捨てながらも、肖像画を(安全に)持ち出した。(出処:2007年10月、人民班の講演会議)」
 
「2007年10月、肖像画を持ち出すため、助けてと叫ぶ幼い娘を救えなかった人もいた。(出処:2007年10月、北朝の人民班の講演会議)」
 
主体思想の「社会政治的生命体論」に基づき、首領(金日成・金正日)を絶対的に崇拝する。したがって、キリスト教など、指導者の唯一支配体制に挑戦できる如何なるものも容認されない。
 
北韓で、金日成・金正日に対する崇拝は、「党の唯一思想体系確立の10大原則」(10大原則)を通じて行われる。金日成に無条件忠誠を尽くし、金日成の教示のみを絶対的指針としなければならないという原則がこの文書に明文化されている。
 
「10大原則」は、発表された1974年から、偉大な指導者の金日成に対する神格化とともに、憲法や他の如何なる法と規範よりも、北韓の人々を支配し、犯罪の規定にも適用される実際の法として機能している。
 
「10大原則」の主要内容は次の通りだ。
1.偉大な首領、金日成同志の革命思想をもってすべての社会を一色化するため命を捧げて闘争しなければならない。
2.偉大な首領、金日成同志を忠誠で高く仰がなければならない。
3.偉大な首領、金日成同志の権威を絶対化しなければならない。
4.偉大な首領、金日成同志の革命思想を信念とし、首領様の教示を信条化しなければならない。
5.偉大な首領、金日成同志の教示の執行において、無条件性の原則を徹底的に守らなければならない。
6.偉大な首領、金日成同志を中心とする全党の思想意志的統一と革命的団結を強化しなければならない。
7.偉大な首領、金日成同志を見習い、共産主義的風貌と革命的事業方法、人民的事業作風を所有しなければならない。
8.偉大な首領、金日成同志が下さった政治的生命を、大事に納め、首領様のこの上ない大きな政治的信任と配慮に、高い政治的自覚と技術をもって忠誠で報わなければならない。
9.偉大な首領、金日成同志の唯一的指導の下、全党、全国、全軍が等しく動く、強い組織規律をたてなければならない。
10.偉大な首領、金日成同志が切り開かれた革命の偉業を、代を継いで最後まで継承し、完成しなければならない。
 
www.chogabje.com 2009-03-06 00:49

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