自由アジア放送
アメリカの支援を受けて、南韓から送りだす短波放送を正規的に聴取する北韓住民が次第に増えていることが明らかになりました。チャン・ミョンファ記者が報道します。
米国の放送評価会社の「インターメディア(InterMedia)」が、昨年の3月から8月まで北韓住民200人を対象に韓国からの三つの対北短波放送の聴取行態を調査した結果、北韓住民の38%が北で放送を聴取した経験があることが明らかになりました。
調査対象の短波放送は、「自由北韓放送(FNK)」、「自由朝鮮放送(RFC)」、「開かれた北韓放送(ORNK)」で、全てが2006年から米国の非営利団体の「国立民主主義基金(NED)」から運営資金を受けています。今回の調査は「国立民主主義基金」が「インターメディア」に依頼して行われました。
自由アジア放送(RFA)が、2月27日、単独入手した調査報告書を見ると、韓国に定着した脱北者らが運営する対北ラジオ放送である「自由北韓放送」が、三つの放送社の中で最も多く知らされており、北韓内部で最も鮮明に聞こえると調査されました。
このような「自由北韓放送」の躍進は、この放送が北韓を頻繁に出入りする中国内の北韓住民に自社の放送周波数と時間帯を積極的に広報した活動が功を奏したものと分析されました。また、放送員(アナウンサー)、取材記者、技術監督などが皆脱北者出身で、北韓の聴取者が理解しやすい方式で進行する点も強みとして考えられました。
「自由北韓放送」を正規的に聴取した応答者たちは、北で一応周波数を固定したら少なくとも30分を聞き続けたと話しました。特に、2007年末と2008年初めに北韓を離れた応答者の大部分が一時間程度聞いたと言ったことから、北側当局の厳格な統制にも一般住民たちが外国放送を次第にたくさん聞いていると報告書は分析しました。
これに比べ、韓国の北韓人権団体か運営する「自由朝鮮放送」と、北韓の知識人層に焦点を合わせた「開かれた北韓放送」は、北韓内の受信状態が不良な(poor audibility)ことが明らかになり、これを改善する対策が至急だと指摘されました。
(放送内容に対する)信頼度を調べてみた結果、全般的に信じられたという応答が、「自由北韓放送」は80%、「自由朝鮮放送」は60%、「開かれた北韓放送」は71%などで、短波放送が北韓住民たちに対して情報媒体として重要な役割を為していることが明らかになりました。
報告書は、今回の調査を通じて「北韓政権」(current regime)が貧困を解決する能力がなく、中国や南韓のはるかに優れた社会・経済的条件を認識する北韓住民たちが大きく増えていることが分かったとし、北の人々がこのように認識するようになったのは、短波放送の役割が大きいと強調しました。
今回の調査には、通行証を受けて合法的に中国を訪問した3人の北韓住民、不法に中国に出たものの、金を儲けた後北に帰ろうとする6人の住民、そして残りは2006年1月以後北韓を離れて現在中国に隠れている脱北者らが参加し、調査の質が例年に比べて高くなったと報告書は説明しました。