池萬元(システムクラブ代表)
パルチザンの歴史歪曲に対し戦端を開いた田麗玉
田麗玉議員は、2月24日「不法暴力を振るい、国家の根幹を否定した人々が民主化運動者に化けるのは、去る10年間、大韓民国が誤った道を歩んできたという証拠」とし、「東義大事件」など、「民主化運動」だと認定された事件の再審期間を30日から10年に延長して、再審の道を開けることを骨子とする、「民主化運動関連者の名誉回復および補償などに関する法律改正案」を国会に提出する予定だと発表したことがある。
田議員が社会に投げた波紋はメガトン級で、左翼によって一瀉千里に歪曲されている歴史の捏造に制動を掛ける新鮮な衝撃で、英雄的な巨歩だった。これは右なのか左なのか恰好よさだけを追い、歳月を虚しく費やすいわゆる「大物政治家」たちと顕著な対照になる一遍のドラマだった。
国会議事堂にまで侵透した暴力テロ
愛国勢力からの拍手を一身に受けた田議員は、2月27日(金)12:30分頃、国会議事堂のホールで、突然襲いかかった5-6人の女性左翼らに白昼のテロに遭った。この女たちは、女性国会議員の髪をつかみ、胸や顔をむやみに殴り、目を指で抉ろうとした。角膜に相当な損傷を受けた田議員は、国会の応急室に運ばれてから順天鄕病院に入院したという。順天郷大学病院側は、「1次診断の結果、田議員の左の目の角膜上皮細胞がむけて結膜出血症状が発見された。精密診断後手術の可否を決めるが、身体を動かすのが辛いほど打撲傷を全身に受けた。目が見えないため(本人が)極度に不安を感じている状態だ」と明かたるそうだ。
一方、永登浦警察署は、直ちに国会に捜査本部を緊急設置して捜査に着手したという。彼女は入院していながらも、3月2日必ず法案を上程するという。彼女に大きな拍手を送る。
暴力の実体は左翼女性たち
ニュースによれば、この女の暴力団は、典型的な左翼組織である「民主化実践家族運動協議会(民家協)」と関連しているという。彼らは、「民家協」の共同代表である李ジョンイ(68)が指揮した女たちで、田議員の髪をつかんで顔を殴った張本人がまさに李ジョンイだという。
李ジョンイは、この日の午前、示威隊40人余りと一緒に、田麗玉議員の堂山洞事務室の前で「民主化運動法改正案発議中断」を促す記者会見をやった後、民主党の丁世均代表との懇談会のため国会に来て、暴力を振るったという。李ジョンイの息子は、1989年、「東義大(釜山所在)事件」で拘束されたことがあり、李ジョンイは、国家人権委員会が授ける「2008年の大韓民国人権賞」候補として推薦されたが、右翼社会の反発で行政安全部から拒否された。
田麗玉議員の髪をつかみ暴行した李ジョンイの正体
民家協は、「国家保安法廃止国民連帯」、「統一連帯」(仁川自由公園のマッカーサー銅像の破壊を図る)、「平沢汎国民対策委」などに参加してきた。暴行嫌疑で警察に連行された李ジョンイ(68,女)は、「民家協」の共同代表で、国家保安法廃止と未転向長期囚の北送、拘束者釈放、安全企画部(国家情報院)など対共捜査機関廃止運動はもちろん、各種集会および反政府闘争に先頭に立ってきた人物だという。
「国家人権委員会」とは、2001年11月独立機構として設立され、2006年から「大韓民国人権賞」を制定して左傾活動家たちに与えている。2006年には「全公労(全国公務員労働組合)」の権・スンボク委員長に、2007年には仁川「都産」(都市産業宣教会)を作った調和順(71)女牧師に与えた。
憤りが感じられない弱音の金炯旿国会議長
「国会議員が国会内で暴行に遭うことは、憲法機関であり国民の代表に対する明白なテロだ。警察は徹底かつ厳正な捜査を通じて、関連者に対して法的措置を取ることを望む。」
大統領の不適切な沈黙
2008年12月18日、国会にチェーン・ソーやハンマーなどが登場した。2009年1月6日には、姜基甲という者が韓服を着て空中浮遊術を見せて国会を凌辱した。国会と検察はこのような行動に対してどんな法的責任を追及しているのか国民は全く分からない。今まで国会への暴力や国会へのテロ行為は、大問題にならず、互いに指差しや脅し程度で終わると認識されてきたのだ。
続いて2月10日、人口や通行の密集地域の龍山で、堂々と都心テロが強行された。暴力乱動者らが、大路に火炎瓶と石とゴルフボールをむやみに投げた。夜が明けて出勤時間になると、その道は車両でいっぱいの渋滞になる。そこに火炎瓶が投げられたらどうなるだろう? 警察は危機感を感じて、出勤の前に奇襲鎮圧に突入した。乱動者らは自らが撒いた火薬に火を付けた。火を付ければ自分たちが先に死ぬはずだから、まさか火を付けると思った警察はなかっただろう。それでも彼らはそうした。そして5具の死体は大規模示威のための「焚きつけ」として利用されるはずだった。警察は、出勤時間の阿鼻地獄を防ぐため暴力乱動屋らを鎮圧したが、世論に押され、大統領からも称賛されず、金碩基庁長は追い出された。誰が何と言っても、これは大統領が正義を捨て、暴力に屈服したことだ。国会に続き、龍山でも暴力が勝ったのだ。
右翼の人士たちは身辺の安全を講じなければ
今度は田麗玉議員が神聖な国会の本館でテロに遭った。これは国会での与・野党の揉み合いとも、「龍山事態」とも違う。国会内で任務遂行中の国会議員がテロに遭ったということは、その象徴性がものすごいのだ。大統領が沈黙してもいいような小さな事案でない。
権威の象徴の国会で、警察が守っている国会で、免責特権まで保証される身分の国会議員が、業務遂行中にテロに遭ったにも、大統領が公憤を表わさないと、これからわれわれのような庶民らは、暴力の前に無防備そのものであることではないか? 南ベトナムの破滅の前夜で見られた現象のように、左翼がこれから右翼の人々に対してテロをやっても、大統領は沈黙するではないか? 国会議員がやられても公憤を示さない大統領が、何の地位もない右翼人士らがテロに遭ったとして何か気を使うだろうか?
治安不在の季節を開いた大統領
大統領にとって、先月の龍山事態は、暴力を鎮圧し、治安の乱れを反転させ、国民の支持を受けられた絶好のチャンスだった。それなのに、彼は長考の末、悪手を打った。その悪手が恐れ多くも任務遂行中の国会議員に対するテロを招いたと思う。そして今度の国会へのテロに対し、大統領は、「到底有り得ず、黙過できないテロ行為だ」と憤りを示すべきだった。それで国民の関心を集中させられたはずで、テロの本質に対する国民的関心を高めたはずだ。民主党など暴力政党に立向かって、法案らを成立させねばならないハンナラ党にも大きな助け船になっただろう。だが、この瞬間、「青瓦台」を(インターネットで)検索して見ると、「青瓦台、国会状況を鋭意注視」という聯合ニュースの題名のみが見られる。「国会へのテロ」という大義名分より、目前の実利が優先だという意だ。
昨日(2.27)、ある屋内集会で、田麗玉議員のニュースが伝えられるや、その場にあった人々はほぼ同時に「李明博」と叫んだ。「いったい、大統領とは何のためあるものか!」という趣旨の非難が噴出したのだ。大統領不在の時代という情緒(不安・不満)が澎湃としていたのだ。
-任務遂行中の国会議員に対する国会内でのテロは、決して大統領が沈黙していい軽微な事件でない。大統領のこの沈黙は、これから暴力の途方もないうず巻きをもたらすだろう。大統領もなく、治安もないこの世、この瞬間から右翼の人々は身辺の安全に格別に留意して備えなければならないと思う-