北韓情報センター(自由北韓放送)
国会外交通商統一委員会の宋永仙議員が、2月19日、統一部の業務報告で、「政府は、2005年8月締結(発効)した南北間海運合意書を廃棄し、大量殺傷武器拡散防止構想(PSI)に積極的に参加して安保を強化しなければならない」と促した。
宋議員は、「合意書が採択された後、北側船舶がわが領海を総716回も運航したが、わが海洋警察と海軍は、臨検をただ一度も実施しなかった」、「国民の安全を最優先視すべき国家機関が、むしろ国民の安全を放置したと見るしかない」と指摘した。
そして、特に「統一部に申告された北韓船舶の運航許可書を検討した結果、北側商船の中、非国籍船は、申告物を電気亜鉛だと共通的に申告したが、これは非国籍船の総船積運航145回の中で17回で、10%を超える」と指摘した。
「電気亜鉛」は、ミサイル製造など軍施設や軍事装備の製造に使われる物資として知られている。
宋議員は、「しかも、運航許可書には、船積みの物品量と重量、価格など船積物の核心細部内訳が記載されず、実際の船積物の諸元や用途を確認できなかった」、「たとえ、合意書で指摘された軍事活動、武器輸送など10大禁止項目の船舶が検問に摘発されたとしても、われわれのできることは追放がすべてだ」と説明した。
宋議員は、また、2月16日、李相憙国防長官が、国会本会議での対政府質問で「軍事的にPSI参加を検討する時点だ」と表明したことに触れ、「南北海運合意書を修正するより、安保を強化する側面からこれを廃棄し、PSI参加を通じて合意書の限界を克服せねばならない」と繰り返し注文した。
宋議員が公開した資料によれば、南北海運合意書の適用対象は、南から北へ、あるいは北から南か第三国を経由して南北を往来する北側船舶であり、制裁範囲は武器の積載、または安全保障侵害や軍事活動など10大行為で、禁止行為嫌疑船舶に対しては停船・検索を保障している。
だが、この合意書を通じては、アメリカが大量殺傷武器の拡散と関連して最も憂慮する第三国運航船舶を監視できないだけでなく、公海上での検問検索が難しく、停船検索をしても、差し押さえや拿捕が不可能だ。
宋永仙議員は、韓国がPSIに参加すると、2003年以後、93ヶ国が承認した通り、北側の大量殺傷武器嫌疑の船舶および航空機に対して、領海、領空、空港、港湾など全ての領域で停船・検索後、差し押さえや拿捕が可能だと言った。
一方、宋議員は、北側のミサイル発射の動きに対しても憂慮を表明した。彼女は、「北側が黄海道の新溪からスカッド・ミサイルを発射する場合、ソウルまで3分30秒、水原まで4分10秒で届く」、「ノドンやテポドン・ミサイルは、韓半島全域に対する攻撃はもちろん、有事の際、アメリカからの増援軍の遮断や攻撃が可能だ」と明らかにした。
反面、「韓国は、ミサイル開発において、1979年の韓米のミサイル技術統制条約(MTCR)と2001年ミサイル射程距離協約(MTCR)により、各々射程180kmと300kmまでと制約されている」、「アメリカのミサイル防御体系(MD)によって対応能力があるとしても、北側ミサイルを全部迎撃することはできない」と指摘した。
オ・ジュハン記者ohjuhan@hotmail.com