金成昱
1. 対北政策は金正日政権を崩壊させる方向に展開しなければならない。外交的表現のレベルは調節できるだろうが、腹心は「平和共存」でない「政権崩壊」が正しい。
2. 金正日政権が崩壊の対象であるしかない一番目の理由は憲法にある。北朝鮮政権は憲法的に反国家団体であり内乱集団である。憲法は北朝鮮政権を平和的で鎮圧した後、大韓民国が主導する自由民主主義の統一を成し遂げることを命令している。
「平和」は手段であるだけだ。統一の原則は「平和統一」でなく「自由統一」だ。自由統一にともなう対北接近は、ただ北韓の共産全体主義を崩壊させてから、自由、市場、人権、法治という「普遍的価値」を尊重する「普遍的体制」を樹立した後、統一することだけだ。
3. 二番目の理由は安保的次元である。 金日成・金正日体制は大韓民国の建国を妨げ、「6・25事変」をはじめあらゆる挑発を通じ民族全体を共産全体主義へ導いて行こうとしてきた。今も核爆弾で武装し『世の中の主体思想化』という赤化路線を変えていない。
大韓民国を取り崩してこそ良い世の中がくるというイデオロギーで武装した敵を、如何にしてロビー活動で対応できるというのか。彼らは大韓民国を破壊するために乗り出した集団だ。説得もできなければ、賂物でなだめることもできない。唯一の代案はかたい決意で戦うことだけだ。
このような安保の不安を根本的に除去することは、やはり金正日政権を崩壊させ、普遍的体制を樹立することだけだ。
4. 三つ目は経済的次元の理由だ。北朝鮮の軍事脅威は韓国の経済発展にいつも荷物になってきた。北朝鮮が核爆弾まで持ったことで一層重くなるだろう。いわゆる『戦争防止費用』として北朝鮮に奪われる供物も増えるはずだ。
不当な負担を根本的に除去する方法もやはり金正日政権を崩壊させ普遍的体制を樹立することだけだ。
5. 四つ目、南・北の対立は韓国を地政学的でより困難にしてきた。日本、中国、ロシアなど強大国に囲まれた小さい国が南北に分かれ激しく対決するから、強大国に振り回される程度が大きい。韓半島に領土的野心がなく調停者の役割をしてきた米国の影響力が減りながら、韓国の地政学的困難は一層大きくなった。
このような地政学的困難を克服する道は、金正日政権を崩壊させ普遍的体制を樹立することだけだ。
6. 五つ目、「国民統合」をためだ。対北朝鮮認識の差は、いわゆる「韓国内の南・南葛藤」をもたらし、韓国を社会的に一層困難にしてきた。片方は北朝鮮の全体主義的本質をよく知り警戒する人々で、他方は韓国の正統性とアイデンティティを否定し金正日政権に忠誠をつくす勢力だ。
社会分裂がもたらす葛藤と浪費を防ぎ、社会統合の効果を極大化する最終的代案は、金正日政権を崩壊させ普遍的体制を樹立することだけだ。
7. 金正日政権を崩壊させるべき六回目の理由は、金正日政権がすでに失敗した集団であるからだ。現在北朝鮮住民の月平均所得は30ドルに満たない。北朝鮮の経済規模は韓国の1/80、一人当りの所得規模は韓国の1/40、北朝鮮の産業設備の規模は韓国の0.4%だ。
金正日政権は世界の経済自由の順位で161位、世界の民主主義の順位で167位、世界言論の自由指数で168位、国家危険度で173位、環境持続指数で146位、全てが調査対象国の中でびりだ。
金正日政権は世界で最も失敗した体制(failed state)であることが立証された。北朝鮮が持っているものは核爆弾と「先軍政治」、そして「主体思想」だけだ。金正日政権はただ「清算」や「整理」の対象であるだけで、「協力」と「共存」の対象として看做せない。
8. 七番目、大韓民国と東北アジア地域の繁栄のためだ。東欧圏の崩壊以来、東北アジアも一つの巨大な市場で統合されつつきた。人力と物資と情報が自由に行き来する内に、豊饒もまた自然に得られる。
北朝鮮地域は東北アジアの自然な豊かさと繁栄の障害物だ。すべての人、物資、情報の流れを飲み込む「ブラックホール(Black Hole)」だ。大韓民国と地域社会全体の豊饒と繁栄のためには金正日政権を崩壊させ普遍的体制を樹立しなければならない。
9. 最も重要な理由は人権にある。韓国の憲法第3条によれば、北朝鮮住民は「未修復地域」に居住する大韓民国の国民だ。反国家団体であり、内乱集団の北朝鮮政権は未修復地域に居住する大韓民国国民を暴圧しと蹂躪する非人道的体制だ。
憲法的に北朝鮮住民の問題は「他人」でない「私たち」の一部だ。北朝鮮住民の人権は私たち自身の人権問題だ。
人権は本質的に普遍的である。人権はすべての基準を超越し、国境まで越える。国際法は特定の国家と市民の間の関係には干渉しなが、特定国家の政府がその市民の人権を侵害すると話が変わる。人権の侵害は全世界の問題になり、国際社会は干渉できることになる。
憲法的にも普遍的にも、北韓の人権は大韓民国の本質的課題であり、これを解決するための唯一の対案は金正日政権の崩壊である。
『誰も島ではない。人間は大陸の一片、大きな図体の一部分である...私が人類と連関したので、どんな人の死も私を小さくさせるが、「誰のために鐘はなるか」を調べようと人を送るな。それはあなたのために鳴る。(ジョン・ダーン. あらわれる事件に関する祈祷ら(Devotions upon Emergent Occasions))』
人権を奪われた人々を見ても目を背けると、その不義を是正しようと思わないと、私たちは人間としてそれだけ小さくなるのだ。
すぐ隣に彼らの人権を徹底的に踏みにじる邪悪がある。苦痛に苦しむ人々が私たちの一部だから、彼らを自由にする責任は我々にある。私たちの中の誰も、邪悪から目をそむけ、あるいは助長した後も完全な人として残ることはできない。
『邪悪なものなどを崇める魂らは皆奴隷になるだけだ(シェリー. All spirits are enslaved that serve things evil)』
www.chogabje.com 2007-12-29 03:09]