鄭昌仁
今年は大韓民国の政府樹立60周年になる年である。だが、韓民族はまだ分断されて統一を成し遂げられずにいる。統一は私たちが必ず成就しなければならない歴史的課題だ。しかし、統一さえなせばどんな統一でもいいわけではない。自由の方、正義の方、勝利の方が主導する統一でなければならない。
同じく60年を迎えるが、韓国と北朝鮮は天と地の差がある。韓国は自由の歴史、発展の歴史、勝利の歴史を育ててきた。ところが、北朝鮮は人権弾圧、国際的孤立、共産党一党独裁、軍隊を前面に出した個人独裁のような、時代錯誤的な敗北の歴史で没落の道を歩んできた。このような克明な結果の差は、言うまでもなく政治体制の差に起因する。
したがって統一は必ず成功の歴史を創造した大韓民国が主導して成就しなければならない。60年の歴史が証明するように、北朝鮮の現政権や今の独裁者はこれ以上存在する理由がない。だとすれば、統一のためには金正日が変わるか、もし金正日が変わることを拒否すれば、北朝鮮同胞が変わらなければならない。
金正日が変わる方法には二つがある。一つは、共産党の一党独裁や先軍政治の誤りを悟り、北朝鮮を民主化する仕事の先頭に立つことだ。こうすることによって金日成・金正日一家が犯した歴史的誤りに対し、僅かながら反省する意味がある。もう一つは、金正日が自ら退くことだ。自ら決断し、大韓民国へ北朝鮮を統合する手続きを踏むことだ。こういう決断を下すことさえできれば、金正日は歴史的人物として再誕生することになる。
だが、金正日は変わりそうでもない。権力というのは自ら放棄するのが容易ではないだけに強制的に剥奪しなければならない。言い換えれば、金正日は除去されねばならない。ところで、このことは北朝鮮同胞が主導的な役割を果たさねばならない。権利は、護ろうとする者だけが護られる。自ら諦めた者に、権利を回復させてあげる方法はない。それで、天は自ら助くる者を助く、というではないか。
北朝鮮がいくら閉鎖された社会で、金日成・金正日一家によって洗脳された社会だといっても、正常な判断力を持った人々が必ず存在するはずだ。脱北者たちを見ればこの点は証明される。特に、北朝鮮の軍部の高位職の人々中にも、常識と決断力をそろえた人々が必ず存在する。彼らは自ら北朝鮮を変化させるため決断しなければならない。自ら決断できないと、現在の時代錯誤的政権を除去する方法がない。また、外部からの支援を期待することもできない。
大韓民国は、上の二つの方案の中で一つが実現できるように統一戦略を樹立し、推進しなければならない。一つは、金正日が自ら民主化を選ぶか、韓国に合併を選ぶか決断するように圧迫を加えなければならない。もう一つは、北朝鮮の同胞自らが、金正日を除去し、北朝鮮を民主化するだけでなく、韓国と統合できるように、北朝鮮内に存在する良心勢力と民主勢力を支援しなければならない。
今まで「親北左派・反逆勢力」が推進した平和的共存だの、連邦制だのという反逆的統一観から今や確実に抜け出なければならない。親北左派反逆勢力は、北朝鮮の対南赤化統一戦略を、恰も大韓民国の統一政策であるかのように偽りの宣伝をしてきた。多くの国民が彼らの宣伝に騙され、南と北が共存すること、永久に国土を分断することがあたかも統一であるかのように、それが恰も平和体制であるように信じることになった。もはやこのような偽りの統一観から脱しなければならない。
そして、大韓民国の憲法に明示された通り、自由民主的基本秩序に立った統一を成し遂げられるように、統一戦略や統一政策を樹立し、意志を持って推進しなければならない。
それで、自由統一を成就しなければならない。今「親北左派・反逆勢力」の「反逆的統一観」を清算し、大韓民国が主導権を持つ「自由統一」が、正常な統一観として認められ尊重されるべきである。「統一」と言ったら「自由統一」を連想するように、統一教育を変えなければならず、政府は自由統一の戦略と政策を樹立して推進しなければならない。統一政策は自由統一へとパラダイムを変えなければならない。
鄭昌仁(前陸軍士官学校教授)自由統一フォーラム代表/ホームページ:http://unifykorea.net/
www.chogabje.com 2008-04-16, 22:40