趙甲済
歴史観は、人生観・世界観・国家観・人物観を決める。「全教組」などの左派らが韓国現代史に対する否定的な歴史観を教えるため学生たちが李承晩や朴正煕など偉人に対しても否定的な見解を持つようになるのだ。
にも拘らず、朴正煕に対する評価は高い。彼が作った高速道路、工団、都市、港湾が別途の説明がなくても偉大な業績を語ってくれる。くやしいのは李承晩だ。左翼らの現代史否定の教育や扇動の標的になったのが、建国過程や李承晩だったため、彼が最も多くの傷を負った。若者の間では李承晩の人気が金日成よりも低いこともあった。李承晩の業績は、農地改革、教育の拡充、韓米同盟、国軍の建設、自由民主主義と市場経済に立った建国である。目に見えないものであり、説明が必要な部分だ。朴正煕を擁護する知識人は多いが、李承晩を弁護する人々は少ない。
あれこれ李承晩は孤独だ。幸いに、柳永益教授や孫世一前議員のような人々が一生の作業として李承晩を研究している。最近出た孫世一の「李承晩と金九評伝」第1部の3冊は、記念碑的な作品として残るだろう。この評伝が完成すれば10冊になるが、文章の正確性と膨大な資料に基づいた、生き生きとした描写は、人間李承晩に息遣いと脈拍を吹き込んでいる。
韓国人と韓国は、李承晩を正しく見られるようになってこそまともな国になれるだろう。韓国人の人物観や歴史観が、李承晩の偉大性が分かるレベルに達してはじめて一流国家が創れる。
韓国人の歴史観と人物観が深まるほど、新羅の三国統一が偉大に見えてくる。李承晩を高く評価する眼目だけでは足りない。新羅の三国統一の過程と李承晩の大韓民国の建国過程を比較できるようになるべきだ。わが民族史の中で二度の黄金期を創ったのが新羅と韓国だ。新羅の三国統一を主導した金春秋、金庾信、文武王の国際感覚と自主性や軍事力は、李承晩、朴正煕と同級である。
朴正煕-李承晩-金庾信、そして新羅の三国統一と大韓民国の建国を正しく見ると、韓国人として必須の歴史観がほぼ完成する。ここにさらに一つ加えなければならない。韓国語に対する正確な認識だ。韓国語は、70%の漢字語と30%のハングルでできているため、漢字とハングルを併用すべきだという考えが確固でなければならない。歴史において言語がどれほど重要なのかを知るのも正しい歴史観を確立するのに必要な要素だ。
1段階:朴正煕に対する正確な認識
2段階:李承晩に対する正確な認識
3段階:新羅の三国統一に対する正確な認識
4段階:韓国語に対する正確な認識
こういう4段階の思考構造が定立されれば、自然に南北統一に対する展望と戦略が生まれる。