国家情報院が変わっている、「独裁者金正日」

日付: 2008年09月24日 00時00分

自由北韓放送

 

国家情報院が「自由と真理を目指す、無名の献身」を新しい「院訓」として定立し、ホームページの「北朝鮮を正しく知る」コーナーを新設し、金正日の先軍体制の実態や弊害を生々しく描写。

 
国家情報院が1998年、金大中政権が変更した院訓である「情報は国力なり」を、10年ぶりに変えたが、最近国家情報院のウェブ・サイトに、「リポート北朝鮮2008 -北朝鮮を正しく知る」というコーナーが新設され目を引いている。
 
▲政治/軍事▲対外政策▲経済改革▲教育/文化芸術▲住民生活の五つの分野で、北朝鮮を紹介したこのコーナーは、国家情報院が去る10年間、北朝鮮の実状をできるだけ隠そうとした姿勢とは違って、「金正日の唯一支配」、「金氏父子」等の表現を使って、金正日独裁体制の弊害と住民の疲弊した生活を詳細に説明するなど明らかに変わった雰囲気を見せてしる。
 
このコーナーは、まず北朝鮮の政治/軍事紹介で、「北朝鮮は労働党が国家のすべての領域を主導する党優位の統治システムであり、憲法上は最高人民会議が中心になる権力構造の下、最高人民会議常任委員長に国家元首の地位を付与している」とし、「だが、実質的には、金正日が党の総秘書、国防委員長など高位職を独占することですべての権力の頂点にある」と紹介した。
 
引き続き、「金正日は金日成死亡後、先軍政治を標ぼうし、国防委員会委員をはじめとする軍部人士らが、権力核心部の主要要職を占め、国防委員会が軍事だけでなく外交・経済など国政全般を指揮する実質的な最高政策決定機構として役割を遂行するなど、軍の影響力が拡大している」と説明した。
 
また、北朝鮮軍兵力に対して「予備兵力まで考慮すると、約890万人余りであり、人口対比で世界1位の兵力比率を維持しており、最近の経済難にも、核とミサイル、生化学武器など大量殺傷武器の開発に集中したことで『対南優位の軍事力維持』政策を持続している」と言っている。
 
そして対南軍事戦略に対しては、「有事の際、先制奇襲と特殊部隊を動員した前後方同時攻撃を通じ、戦争の主導権を掌握すると同時に、機動化部隊を深々と突進させ、米軍の追加増員以前に戦争を終結するという速戦即決の戦略を採択している」と付け加えた。
 
国家情報院は、北朝鮮の経済改革に対する紹介で、「90年代に入り、北朝鮮は去る60余年間競争のない計画経済体制により、産業生産が極度に落ち、ソ連の崩壊などにより友好的な市場がなくなったし、90年代中盤の洪水などの自然災害まで重なって、食糧、エネルギー、外貨不足など総体的難局に直面した」と紹介した。
 
そして、「北朝鮮は、現在自らの力で経済難を解決できない状況であり、中国、ベトナムのように果敢に市場経済制度を導入し、核兵器を放棄した後、国際社会との経済協力に積極的に臨まなければならない」と強調し、「だが、金正日は自身の唯一支配体制が脅威を受けることを憂慮して、革新的な経済政策導入を躊躇している」と指摘した。
 
また、住民生活に対する紹介では、「2002年7月の経済改革措置以後、配給が中断し、国家から支給する賃金で各自が生活用品を購入して生きていく方式で変わったが、相当数の企業が賃金が払えないか、賃金を与えても、せいぜい米2~3kgだけを購入できる2千~4千ウォン程度だけを支給している」と紹介した。
引き続き、「したがって、大部分の住民たちが商売や菜園耕作で生活費を補充することで、次第にお金が最高だと認識されながら、集団主義から個人主義へ、思想優先から物質優先へ、価値観が変わっている」として、「北朝鮮当局は全住民を義務的に特定社会団体に所属させるなど各種統制装置を通じて、住民を徹底的に監視監督している」と明らかにした。
 
そして宗教に対しても、「憲法68条に『公民は信仰の自由を持つ』と規定し、教会・聖堂・お寺など宗教施設の建設と、『キリスト教連盟』など宗教団体を運営しながら、宗教の自由を保障するかのように宣伝している」、「だが、社会主義の特性上、『宗教は人民のアヘンだ』という視角の下、宗教生活を抑圧している」と指摘した。
 
(去年の12月)訪北対話録の流出事件」で8月以上検察の調査を受けている金萬福全院長が、盧武鉉前大統領と一緒に平壌訪問当時、金正日の前で「90度」上体を下げて挨拶するなど、その間の国家情報院の機能やアイデンティティが論難になってきたが、去る3月11日、金成浩新任院長が就任して以来、このように変化が現れて期待を集めている。
 
その間、一般的に広く知られなかった北朝鮮の実態を伝えるのに国家情報院が先に立つことで、金正日独裁体制や北朝鮮人権問題などに対する対国民教育でも相当な効果が期待される。
 
国家情報院は、最近、北朝鮮情報の収集と対共捜査力の強化という方針を樹立し、大検察庁も去る2005年廃止された公安3課の復活を積極的に検討するなど、李明博政府の出帆後、去る10年間活動がほとんど中断されたのと同然の公安活動が今一度活発になるつつある。
 
自由北朝鮮放送オ・ジュハン記者ohjuhan@hotmail.com2008.09.22
www.freenk.net 2008.09.22


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