アンドレイ・ランコフ博士(国民大学教授)
[再録]北朝鮮の急変事態とこれにともなう中国の韓半島介入の可能性が相次いで提起されている中、北朝鮮で親中クーデターが発生して韓半島の分断が固定化するという主張が提起された。
アンドレイ・ランコフ前オーストラリア国立大教授は、最近香港のアジア・タイムズ(Asia Times)に掲載した長文のコラム(題名:China puppet-play a plus for Koreas)で、「中国外交関係者たちと政治家たちは、2002年頃北朝鮮政権の崩壊が中国の国益に悪影響を及ぼすという判断の下、北朝鮮の急変事態を防ぐと同時にこれを制御する内部方針を定めた」と主張した。
ランコフ教授は、「中国は、2002年を基点に、最近まで対北経済協力関係を凄い速度で進展させてきた」とし、「北朝鮮と交易する中国内の大企業らが中国政府の支援を受けており、これらの企業の大部分は北朝鮮の鉱山やインフラ開発に注力している」と指摘した。
彼は、引き続き「中国内の(北朝鮮)専門家たちは、金正日政権の崩壊とこれにともなう北朝鮮の混乱状況が発生する場合、UNの平和維持軍のような人道的介入問題と関連し、中国が主導権を掌握し、韓半島の北部地域に対する『平定』を試みる可能性が高い」と展望した。
ランコフ教授は、また金正日が自身の後継者を指定しないまま退場した場合、あるいは北朝鮮のエリートたちの支持を受けられない「カカシ後継者」が台頭する場合、中国は国連の承認の下、韓半島問題に介入することになると主張した。
しかし、このような中国の韓半島介入は結局、北朝鮮内に親中政権の樹立につながるはずで、韓国主導の吸収統一を恐れる北朝鮮のエリートらが中国の介入を歓迎する可能性がある、とランコフ教授は展望した。
北朝鮮のエリートらが中国の北朝鮮介入を反対しない理由として、ランコフ教授は、「韓国主導の韓半島統一が達成される場合、自分たちを対象にした粛清、または暗殺の可能性を憂慮するため」と分析した。彼は、しかし「このような状況は発生しないだろう。政治的敗北が直ちに粛清につながりはしないという事実を北朝鮮エリートらは理解できずにいる」と指摘した。
彼は、引き続き「北朝鮮内の親中政権の成立は、朝鮮労働党の独裁体制の延長(Kim's officials in Place)に続く」としながら、「北朝鮮のエリートらの立場から見れば、韓国主導の統一に反対する中国と手を握ることが合理的な決定に見なされるはず」と言った。
一方、ランコフ教授は、「南・北韓の統一過程で最も重要な部分は、韓国の政治的決断と意志だが、現在このような決断と意志が見られない」とし、「去る10年間の韓国政府の政策は、統一を延期(postponing)させることだった」と批判した。
ランコフ教授は、しかし「北朝鮮の急変事態の時、韓国が対北介入を回避することになれば、中国の韓半島問題介入がより可能なオプションと受け止められる」とし、「核を保有した北朝鮮の内戦は、問題をさらに複雑にする。このような状況が発生する場合、飢餓状態に置かれている北朝鮮住民の暮らしは一層困難になるだろう」と話した。
翻訳整理/ふりージョン・ニュース金泌材記者(spooner1@freezonenews.com)