中国当局、脱北者に「対韓国スパイ活動」を懐柔

日付: 2008年10月29日 00時00分

自由北韓放送
 
最近、ある脱北者の暴露により、中国当局が逮捕された脱北者らの境遇を悪用して、韓国に対するスパイ任務を強要している可能性が提起された。
青瓦台の近くで「非保護対象」処分の是正を求めて4日目の断食示威を行っている脱北者の蔡OO(女)氏は、中国で逮捕された時、中国情報機関が彼女に、「韓国に行ってスパイ任務を遂行するなら、北へ送還しない」と懐柔した事実を証言した。
 
蔡氏は、10月22日、記者とのインタビューで、「中国当局に逮捕される時、中国の要求(スパイ任務)に応じないと北へ送還すると脅されて、生きるため、そして中国にいる息子や故郷に残った家族のため偽りで応じ、韓国に入国して2日後に自首した」と話した。
 
蔡氏によれば、中国情報機関は、彼女に携帯電話を与えながら、韓国入国後、連絡するよう強要し、任務を完遂すれば没収した彼女の財産を返すのはもちろん、成果金まで払うと提案したという。蔡氏の証言を整理すると、中国情報機関は蔡氏が韓国に入国した後、その時その時、必要な任務を与えようとしたと見られ、蔡氏が専門的な教育を受けなかったことなどから、中国当局が狙った情報活動のレベルは高いものではないと推測された。
 
彼女は、この日、断食示威中で証拠物の携帯電話などは提示できなかったが、入国後、不利益を甘受しながら、あえて自ら自首したことや、説明が具体的である点などを考慮すると、蔡氏の主張は信憑性があると思われた。
 
ところが、彼女はまさにこのため去る8月の「保護対象者の再申請」で脱落した。関連部署らは彼女が自首したにも、「国家安保に威嚇になるため」彼女を保護対象者から除外したという。
 
現在中国内の脱北者数は、最小5万から最大30万人に達するといわれ、すでに国内に約1万5千人が入国したことなどから、蔡氏以外にも中国当局の脅迫を受け、まだ自首できずにいる被害者がもっといると思われる。
 
中国の情報機関としては、中国共産党直属機関として公式に知られた国家安全部などがあり、国家安全部は傘下に国際情報局、政治情報局、台湾・香港・マカオ局、防諜偵察局などの17部署があるという。
 
今まで明らかになった中国の対外工作の事例の舞台は、台湾をはじめ、米国、日本、オーストラリア、ドイツ、北朝鮮などが知られているが、国内での工作はまだ公式に認められた事例はない。
 
今回の暴露が事実なら、中国側が脱北者の強制送還に止まらず、脱北者を利用して韓国に対する工作活動を広範囲に展開し、スパイに活用するため脱北者の人権蹂躙が限度を越えているという不満が増幅され、韓・中間の外交的摩擦まで引き起こしかねない。
 
何より、このような被害が生じる根本原因の一つが、まさに脱北者たちの国内入国の遅滞が、中国当局による逮捕に繋がるということを考えれば、駐中韓国大使館をはじめ外交部や統一部など関連部署らの対策樹立や被害者の救済方案が至急求められる。
 
呉ジュハン記者ohjuhan@hotmail.com
www.freenk.net2008-10-23

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