李在明とトランプ会談（１０月２９日）で、両首脳が初対面（８月２５日）以来、両国を極度の葛藤状況に追いやってきた「関税協商」を妥結したと言われたが、首脳会談の合意内容は調整中で４日現在、公式発表がない。韓米首脳会談で李在明は、記者団に公開される冒頭発言を通じて米・北の関係正常化を促し、韓国が推進中の核推進潜水艦に燃料（濃縮ウラン）供給を要請した。トランプ大統領は、韓国の核推進潜水艦の建造には同意したが、米国で建造するよう逆提案した。米国が核推進潜水艦の統制権を持ちたいということだ。

　関税協定交渉が膠着状態で行われた韓米首脳会談で、米側は総力を上げて李在明政権を圧迫、面子を保った。李在明は、首脳会談で公開された冒頭発言を通じて、トランプ大統領を称え、金正恩の肯定的反応がなかったため今回、米北首脳会談が不発になったのは残念だが、米・北関係正常化を望み、米国の海軍力強化に寄与するため韓国が建造する核推進潜水艦に核燃料の供給を要請した。
トランプ大統領は、米国の造船能力再建に韓国の協力を期待すると述べた。そして翌日、韓国の核推進潜水艦の建造を支援するが、米国で建造せよと注文した。韓国は独自に核推進潜水艦を建造する能力がある。ただ、核燃料（濃縮ウラン）の確保に問題があるだけだ。ワシントンは韓国を牽制する考えを変えていない。
李在明はトランプ大統領に新羅金冠のレプリカと金で作った勲章、約３億ウォン相当をプレゼントした。一方、トランプは腕の障害で野球ができない李在明に３０万ウォン程度の野球バットをプレゼントし、李在明を嘲弄した。
トランプ大統領は、慶州ＡＰＥＣをボイコットした。トランプ大統領が訪韓したのはＡＰＥＣのためではなく、李在明と習近平に会うためだった。大西洋同盟や国連まで米国の偉大な再建の障害物と考える米大統領は、大西洋時代に代わって浮上するアジア太平洋地域の国々の集まりであるＡＰＥＣなど重要ではない。日本など伝統的親米国家を取り締まり、圧迫すればよいという姿勢だ。米国に必要なのは、主権国家に対する尊重と謙虚さだ。
ところが、トランプの「交渉術」は中国には通じなかった。ワシントンは、中国との全面的関税戦争、特に技術覇権を中国に渡さないという目標が難関に直面したことを認め、トランプ・習近平会談（１０月３０日、釜山）で米・中葛藤を縫合した。
中国は同盟を搾取する米国への国際社会の反感を突いた。製造業再建、特にサプライチェーンの構築が目標の米国は、来年から１５次５カ年計画を始める中国の１０年～１５年前の製造業に追いつこうとする。
いずれにせよ、トランプ大統領の北韓の核保有国認定、「韓半島非核化」目標の放棄発言は、韓半島の分断構造と韓米同盟が決定的変化に直面したことを物語る。韓米首脳会談に続き、韓米同盟の未来を協議する第５７回韓米安保協議会（ＳＣＭ）が開催された。両国の国防長官、合参議長など軍首脳部が出席した。
李在明は４日、ＳＣＭに出席し訪韓中のフィット・ヘグセス米戦争部長官に会い、「任期内の戦時作戦統制権の早期回復は、韓米同盟が一層深化し発展できる重要な契機になる」と言った。戦作権回復は李在明がこれまで強調してきたが、「任期内」と明言したのは初めて。韓国は国防費を３・５％まで増額すると表明した。
李在明はヘグセス長官に「韓国軍の力量が大きく強化され、韓半島の防衛を韓国が主導すれば、インド太平洋地域で米国の防衛負担も軽減されるはず」と言及したという。李在明は、トランプ米大統領の核推進潜水艦の建造支援決定に謝意を表し、「原潜確保は韓半島防衛を主導するための韓国軍の力量を向上させ、韓米同盟発展にも大きく貢献する」と述べた。
ヘグセス長官は「韓国が国防費を増額し、最先端の在来式戦力や原潜確保などを通じて国防力を強化しようとする努力を積極的に支援する」とし「韓国は最も模範的な同盟」と答えた。また韓国との造船協力強化で船舶を共同生産する方案に対する期待を表明、「こうした協力は韓米両国の国防力強化に大きく寄与する」と述べた。米国側は、今回のＳＣＭ合意内容を本国の関連部處処と協議後、発表するという。